2013年1月25日金曜日

Dishonored

Dishonored - Trailer [HD]
非常に難解な作品。

皇后暗殺の汚名を着せられたエージェントが謎の人物の助けを借りて汚名を晴らそう、という作品…なんだろうか。正直、あまり覚えていない。

投獄されて死を待つばかりとなっていた主人公は謎の人物の手引きで脱出に成功する。戦闘は主にステルスが中心で一般的なステルスキルから魔法のような能力まで様々な手段が使えるのが売り。技術的には恐ろしく高い水準の作品で、ローディングも恐ろしく早い。精密なグラフィックの割りには重さもほとんど感じられない。

チュートリアルが終わった辺りでかなり違和感があったのだが、正規のミッションが始まって違和感の原因がわかった。これは死が軽すぎるんじゃないのか?まるで果物にナイフを突き立てるように次々と殺してゆく。もちろん私が操作して殺してる訳だけど、なんというか…「ちわー仕事人でーす(by中野豪)」という感じでゲームプレイは盛り上がらない。どう感じているのかというと、チュートリアルが終わった段階で目的上殺しもするが避けた方が良いというメッセージが作品から伝わってくる。だが、プレイしていて殺害する事に一切罪悪感を感じない。別に殺している兵士だって悪人という訳では無いのだから(だってほんの少し前まで同じ勢力だった訳だし)殺すのは葛藤とかありそうなものなんじゃないのか?でも最初から躊躇無く殺せてしまう。街は死に溢れ、ネズミが走り回り、橋には死体が積み上げられている。でも別にどうとも思わない。例えば殺しまくって心が麻痺してくるとかなら話がわかるが、最初から何も感じないというのは凄い違和感を感じる。

相手を気絶させたり、非殺害の手段があれば違ったと思うのだが、最初から殺す気まんまんな主人公が不思議だ。つまり汚名を晴らしたいというモチベーションを全く感じない。Dishonoredというタイトルは誰を指しているのか?私は主人公がそう感じている作品なのかと思っていた。実際に遊ぶとどうやらそういう訳では無いらしい。一人称視点だからプレイヤーが感じる事が一番大切なのだろう。それはわかるが、少しはサポートしてもいいのでは無いだろうか。エモーショナルなシーンというのは個人的にはあまり好きでは無いが、これはあまりにドライすぎるように感じる。

Borderlands 2

Angry JoeによるBorderlands 2レビュー

う、ううぅ~ん?前作は1周するまでは楽しんだのだが、今回は…よくわからん。いや、面白さは1とほとんど変わりません。じゃあ何が違うの?と言われるとBadass Rank(アカウント全体に影響するBuff)とスキル全体の見直し…ぐらい?

「これはBorderlands 1.5だ」というユーザレビューがあったが、私からすると1.2aぐらいの変化しか感じない。1に比べると連射系の武器が弱すぎて全然使い物にならない気がする…装備レベルが上がったらまた違うのかも知れないが、前半はPistolが一番良い感じがする。前作より敵が硬い気がするなぁ。よりCoop向けの調整になったんだろうか。前作に比べると平均的な交戦距離が半分以下になり、銃撃戦自体は簡単になった。これはコンソールでの反応が大きいのだと思う。グラフィック等は前作よりブラッシュアップされているな、と感じるもののそれ以上の印象は無い。

キャラクターの持つ特殊攻撃は大幅に強化され、そのキャラクターを使う意義が大きく増えたと思う。前作ではスキルの関係で持つ武器もかなり制限されていたが、2ではかなり柔軟なシステムに変化した。ただ、敵が硬すぎて威力の低い武器は実質機能していないと思う。前作であった、数値的には弱いが状況で有効な武器になったりという経験が無かった。単に弱い武器と強い武器があるだけに感じられる。

インベントリシステムは…これは一体何をしたいのか?というぐらい意味不明な代物。決して前作でも使いやすい物では無かったが、直感的にもアウトで慣れても使いにくいという豪快さで、20年ぐらい前のRPGみたいなデザインだ。(装備する→ステータスを確認する→装備を外す→ステータスを確認する…)装備はレベルによる制限が大きいため、他のキャラクターに渡すという行為が機能する可能性はかなり低い。レベルがカンストすれば別だが、そうではない場合意図的に育てない限り機能していないと思う。

私が前作で楽しんだ要素として、銃撃戦とアイテムハンティングがあった。少なくとも今回はどちらも楽しいとは感じない。特殊攻撃が強すぎて通常攻撃が非常に弱く感じられる。なんというかこちらが有利な状況を生み出す方法が特殊攻撃しか無い。スコープを使って有利な状況を生み出すにも敵が硬すぎて機能していない。結局撃たれつつ撃ちあう乱戦がメインだ。別に乱戦があるのは問題無いのだが、ずぅーっと乱戦ばっかりだと飽きる。

良くできているゲームなのだとは思う。私にはそこから先の面白さが発見出来なかった。荒削りな分、前作の方が面白かったように感じられる。

2013年1月12日土曜日

古いゲームを遊ぶ「必要」があるのか?

私の場合、デザインの研究が趣味なので私に関して言えば「必要」だ。
だが、例えばゲーマーだとして他の人から「○○は遊んでおいた方がいい」とか言う話はよく出ると思うのだが、私は今現在どう思うかと言えば「4年以上前の作品は遊ばなくてもいい」と思う。

もちろん自分で興味があったら、どんな昔の作品でも遊んだ方がいい。自分の興味を満たす、欲求を満たす。これは非常に正しい話だと思う。グナイゼナウ曰く「Raum mögen wir wiedergewinnen, verlorene Zeit nie wieder」(場所は取り戻せるかも知れないが、失われた時間はそうではない)だそうなので、今遊びたいなら、あるいは今遊ぶ事ができるなら今遊んだ方がいい。それは新しいも古いも関係無い話だろう。

その時代のデザイン、その時代の技術を知る事は重要だ。だからできれば出た時期の内にその作品を楽しむ方が良いと私は思う。とり・みきだったと思うが、「遅れて来たファンはどうしても作品を批評的に見てしまう」(記憶ではこんな文章だった。確かビートルズかビーチボーイズの話だったかと)という言葉がある。その作品の持つ熱のような物はどうしても失われてしまう。これはどうしようも無い話だ。私はDeus Ex(2000)をプレイしたのは2004年頃(間違い。2003年3月)だったと思うが時間さえあれば夢中になって遊んでいた。仮に2012年に初めて遊んだらあそこまで面白く感じただろうか?それは無理だと思う。

Deus Ex - Trailer(2000)

例えばテーブルゲーム(将棋、チェスとか)ならその面白さをもっと継続する事が可能かも知れないが、デザイン的な部分で進化は無い(AIとかは進化できるだろう)「歩」がレベルアップして強くなるような将棋を出してもそれがデザイン的に進化か、というと4本足の動物を6本足にしたら1.5倍の速度が得られるかも。という代物だと思う。将棋を指したい人はそんな事を目的に改変された将棋をやらないだろう。サッカーでボールを2個に増やしたら!みたいのも普通興味を持たない(見てみたい気はする)だろう。

今のゲームも数年もすれば過去のゲームになってしまう。だから興味があるのだったら様々なジャンルに手を出すべきだし、そこから学ぶことも多いと思う。自分の遊ぶジャンルは○○です。みたいな事は後で幾らでもできるのだから新鮮な物を新鮮な内に遊ぶ方が良いのでは無いだろうか。アンテナは高く、敷居は低く…誰の言葉か忘れたが昔そんな話を聞いた記憶がある。私の場合、アンテナを高くする努力は続けているが、敷居に関しては自信が無い。それでも興味があったら出来る限り手の届く範囲なら手を広げる努力はしている。

人類で全てのゲームを見た人間は居ないし、これからも居ないだろう。 だから昔のデザインに興味が出たら地獄のハイウェイにようこそ。という事だ。
LGR : Sid Meier's Civilization - DOS PC Game Review
有名な地獄の入口の一つ。「本物の」シド・マイヤーによるデザインのCivilization。そしてシリーズにして最高傑作だ。知らない人には当時どれだけの人間がそのデザインに驚いたか想像も付かないと思う。今遊んで当時と同じ感激を味わうのは不可能だ。今の新作もごく一部はクラシックになるだろう。だが、クラシックになる瞬間を味わえるのは発売されてほんの数年の間に過ぎない。だからそれを味わないというのは勿体無いのではないか、と思う。

今の作品を遊ばずに今の作品を評価する事は出来ないし、逆もそうだと思う。「昔の作品の方が優れている」そうだろうか。私は新しい作品にも見るべき部分は十分あると思う。同様に古い作品も「古いだけ」とは思わない。デザインが今でも光り輝く作品もある。古いゲームを遊ぶ「必要」は無い。それが貴方のゲーム人生を豊かにするかは誰にも保証出来ない。だから自分で確かめるしかない。

2013年1月11日金曜日

Far Cry 3

Angry JoeによるFar Cry 3レビュー
予想外に面白い。

ゲームの概略は南国(太平洋戦争当時の日本軍の大砲等がある太平洋の島)でバカンス中に一緒に捕らえられた弟、友人達を現地の人間の力を借りて助ける。という内容。

最初は頼りない文明人の主人公が、戦いを経て徐々に狩人として目覚めてゆく、のが成長要素となっている。レベルアップ時に一般的なスキルツリーを構築してゆくが、上のスキルをアンロックするためには
  • 要件を達成する(ステルスキルを3回、とか)
  • ストーリーを進める(進める事で新たな才能を得る)
という感じ。敵は火力はともかく、数、増援等があるため正面から突破するのは若干難しい。それぞれのHPがボックスにわかれておりHaloで使用されたシステムに似ている。そのため、ステルスで有利な状況を生み出す事を求められる(ミッションによっては警報が鳴らされたら失敗する物もある)事前に双眼鏡で敵を確認する事で敵の動きを完全にトレースできる。一度双眼鏡で視認した敵は壁の向こうでもわかる。シルエットとはいえ、完全に描画されるため、LoSについても判別可能だと思う。

現実の世界では存在していても、ゲームで表現する事が難しい才能として、追跡技能があると思う。今までも足あとを表現したり、レーダーで表現したりといった試みが行われてきたがこれだけストレートな表現は初めてだと思う。このシステムはゲーム上で上手く表現されていると思う。

視認した敵は頭の上にアイコンが表示され、ただのアサルトライフルを持ったヤツなのか、手榴弾を投げてくるヤツなのか、スナイパーライフルを持ったヤツか識別可能だ。最初のFar CryではこれをAIで実装しようとして、結論から言えば上手くいかなかった。つまり近代戦の鉄則である「最初に殺すのは指揮官と通信士」をやろうとした訳だ。AIの負荷が高すぎたのか、上手に実装できなかったのかはわからないがFar Cryを遊んでそれを感じる事は無かった。Far Cry 3でそれを上手に表現できた、とは言わないがイニシアチブを取った際に「どの敵から始末するか?」をプレイヤーに考えさせるなら現時点では十分に目的を達成していると思う。大きな一歩だ。

ストーリー上でプレイヤーは狩人として覚醒してゆく、という部分があるが、これは武器以外の装備を充実させるためのクラフト要素として取り入れられている。例えば持てる弾数を増やすにはバッファローの皮2枚といった感じで徐々に難しいターゲットを狩らなければならない。という感じだ。銃があれば野生動物より圧倒的な強みではあるが、獰猛な生き物相手だと一瞬で殺されるため、結構な緊張感がある。

インターフェイスはかなり使いにくく、意図がわからない。おそらくコンソール版をそのまま使っているのだろうが、こんな酷い代物で問題にならなかったのだろうか。インベントリも凄くわかりにくい。Red Dead Redemptionでも似たようなインベントリだったが、Far Cry 3では洗練されているとは言いがたい代物だ。

E3の紹介を見た時には正直言って面白そうには見えなかった。射撃感も不足している(これは実際に不足している)し、舞台も魅力的に見えなかった。オープンワールドのFPSと聞くと反射的にBoiling Pointを思い出したのも敬遠した理由の一つだ。
Boiling Point:Road to Hell(2005)
それでもSteamの安売りと好奇心(私はAngry Joe Showのファンなので)に負けて買ってしまった。最初は前述のインターフェイスで眉間にシワが寄りっぱなしであまり乗れなかったのだが、クラフトで動物狩りをしている辺りから面白くなってきた。

ただ、どうなんだろう。今まで1も2もパッとした作品じゃなかった訳で(1は技術的には凄かったが)それの3って言われてもピンと来ないような気がする。リブート的に「Far Cryなんとかかんとか」みたいなタイトルにした方が良かったのでは。発売時から評判の良いタイトルではあったものの、Far Cry 2が「行ったり来たりゲーム」だったので不安だった。3はその点が大きく改善されており、何よりも敵の拠点を偵察し、攻撃プランを組み立て実施(そして失敗)するのが楽しい。

ゲームにおける世界観とは何なのか。という話があるのだが、ゲームにおける世界観というのは物の設定がどう、とかストーリー、前提となる神話とかでは無い。画面に見えている物以外をプレイヤーに感じさせる事が世界観なのだと思う。我々が直接見ているのは通常モニターだけな訳だが、その見えていない部分を感じる、あるいは考える事ができる事が出来たのであればゲームの世界観として素晴らしい物なのだと思う。

私はゲームを立ちあげてしばらく「この作品は面白く無いのでは無いか」と思っていたが、私の直感は当たっていなかった。それが嬉しかった。

Max Payne 3

Angry Joeによるレビュー
Max Payneの1はプレイしたが2はプレイしていない。銃でコンボを入れるというアイデアが理解できなかったからだ。主人公の造形が変になったのも理由の一つではある。
で、Rockstarに移ってリブートした第3弾ができた。

アメリカの連続テレビドラマと、勘違いしたハードボイルドと、説教の融合。
酒の有害さを説く、というのがテーマの作品で仕事中に酒を飲む奴は変な幻覚を見る。糞の役にも立たず、終始ブツブツ言っている(例えば昨日の味噌汁の具がイマイチだった…今日はアサリがいいかも知れない」みたいな)「スタイリッシュ(当社比)に相手を殺す」のが大好き、等といった酔っぱらいが如何に迷惑か、をバーチャル体験出来る。あとはコップ酒でも机に置いておけば洗面所で吐いてすっきりできるだろう。

Red Dead Redemptionでは見事にIPを復活させたが、Max Payneではうまく行かなかったようだ。
バカバカしさとスタイリッシュ(当社比)ではStrangleholdの方が上だと思う。興味あったら体験版を遊ぶのをオススメする。面白かったら?体験版だけで面白さの90%ぐらいは体験できるので買う必要は基本的には無い。
Stranglehold - Official Trailer

Max Payne 3の問題点で一番大きな事は銃撃戦において、リアルなのを目指しているのか、誇張した表現を目指しているのかはっきりしない点だ。TPSなので自分の銃撃に迫力を感じる事は無いし、敵が撃ち殺される時にちゃんと着弾位置を計算して倒れてゆくのは手間と予算を感じさせるものの、目出し帽を被った奴を30人も殺してたらリアルか誇張、どっちかに寄せないと何のインパクトも無い代物になってしまう。Hotline Miamiの方がリアルでインパクトがある。
Hotline Miami Trailer

TPSで銃撃戦の迫力が出しにくい、というのはわかるがもっと物理エンジンを利用して大げさに倒れたりしてくれないとありがたみが無い。何故か?自分は横っ飛びしてスローで銃のスライド動かしてるのに何のサービスも無かったらドッジ2回目ぐらいから、受けなかった一発芸を何度もやらされてるような気分になるからだ。そりゃあ場が盛り上がっていれば一発芸を繰り返す気分になるかも知れないが、会場の盛り上がりが無かったら拷問じゃないか。ジョン・ウーに映画から鳩、教会、二丁拳銃とスローモーションをカットした作品を依頼するんだったら、そもそもジョン・ウーじゃなくて他の監督に依頼した方が良い。シュートドッジを抜いた方が良かったんじゃないのか?「それじゃあMax Payneじゃない」いやじゃあなにか?「シュートドッジが入った」からMax Payneなの?

ストーリーに関しても興味の沸かない酔っぱらいに昨晩の夢を聞かされてるような話で「携帯でも鳴らねぇかな…」という気分になる。「この本は面白いんだ…今から全ページ俺が音読してやる」って言われて嬉しい人は居ないだろ。Max Payne 1なら画面1枚で済むような話を5分掛けて説明するのは明らかな失敗だ。

Max Payneである理由は何なのか?これならタイトルを「ハゲの酔っぱらいinブラジル」とか「銃と独り言の多い男」とか「ゲロ」でいいんじゃないのか?新しいIPになるし。ゲームに乗れる切っ掛けを何一つ与えてくれない内容が心底不思議だ。それとも中盤から未来に行ったり、隕石が降ってきて街が壊滅状態になったりするのだろうか。このままずっと単調な銃撃戦とカットシーンが続くのだったら辛すぎるだろう。別にエンジン売りをする訳じゃないのだろうし、本当にわからない。…まさか赤字を出して税金対策とかか?赤字になったのかは知らないが。

幸せ過ぎて、たまには「今日はむしゃくしゃしたい!」というのならばこのゲームはオススメだ。そういう点では完成度が非常に高い作品だ。

2013年1月6日日曜日

ビル・ウィリアムスとその脳みそ

私の場合、凄いデザイナーというのは思いつくだけでも何人もいる。トップを選べ、と言われたら一瞬考えたから「若い頃のシド・マイヤー」だと答えると思う。

では、一番変なデザイナーは?と聞かれたら、これは考えるまでもない。ビル・ウィリアムスだ。

彼の名前を一躍有名にしたのはMind Walker(1986)というソフトでゲーム概略が凄い。

「狂った教授の脳にアクセスし、正気の破片を探し出す」

今なら0.1秒で却下されそうな企画だが、問題は無い。何故か?何故なら彼が一人で作ってるからだ。

Mind Walker(1986)
動画をアップロードした人は相当な労力を払って説明しようと試みているが、大半の人には「なんだこりゃ?」でしか無い。どの本か忘れたが、クーロン黒沢曰く、「冥王星で一人で作ってるようなゲーム」これが一番わかりやすい説明だと思う…多分。源氏物語が今でも研究されているように、Mind Walkerも800年ぐらい研究対象になりそうだ。

その後、Cinemaware社のゲームで音楽関係でDefender of the Crown(1986)、The King of Chicago(1987)を担当した。
Sinbad and the Throne of the Falcon(1987)
今見ると凄い変わったグラフィックに感じるかもしれないが、当時だって相当アバンギャルドなグラフィックだった…ゲーム内容は彼にしては結構まとも(で特に面白くもない)だったのだが、あまりに強烈なグラフィックで一度見たら忘れられない作品ではある。(後は妙な山登りシーン)

そしてKnights of the Crystallion(1990)が発表された。(残念ながら現在のYouTubeには1秒ぐらいの映像しか存在しない)
Array Cat(1983)
序盤に彼が手がけた作品が映される。動画の作品も彼が手がけた作品だ。

Knights of the Crystallionの背景世界はこんな感じだ。
「古代の巨大生物オラドリッド(プレシオサウルスに似ている)が息絶え、その骨に人々が住み始めた。オラドリッドの頭部はツィミットと呼ばれ、その中にはクリスタルの卵があるという。そのクリスタルから生まれた馬は人智を超えた美しさと賢さを持ち、手に入れた物を支配者とするだろう」
クリスタルの卵から馬?とか意味不明な部分もあるが、おそらくビル・ウィリアムスには何か理由があるのだろう。ひょっとしたら単に自分で作ったレイトレースエンジンのテストだったのかも知れないが…。

ゲーム内容は一族の維持、二人で行う陣取りゲーム(ダイヤモンドゲームのような?)、2つのミニゲーム(途中でカードの位置が動く神経衰弱と磁石?のような物を使ってエナジーを蓄積する謎のゲーム)とこの作品のメインパートであるツィミットの探索だ。

ツィミットは迷路になっている。多分、ファミリーコンピュータ版夢幻戦士ヴァリスより難解なのでは無いだろうか。何せ2画面も移動すると地図が続いていない。説明が難しいが相互に一方通行のような地図になっており、おそろしくややこしい。なんとか迷路を進むと、挑戦者の知恵を試すため、前述のゲームで勝負したり、ポエムの答を求められたりする。

当時見せた人はほとんどがこう言った。「なんですか?これ」
私にもわからない。ひょっとしたらビル・ウィリアムスは普通のゲームを作ろうとしていたのかも知れない。我々にはそう見えないだけで。

Future Wars

Future Wars: Adventures in Time(1989)
ゲームの映像は日々進化している。そんな映像の中でも特に印象に残っているタイトルというのは存在する物で、私にとってその内の一本がFuture Warsだ。
グラフィックを担当したのはAnother World(日本ではアウターワールド)で知られているEric Chahi。
Another World(1991)
Another Worldで驚いたのは「普通に遊べる!フランスのゲームなのに!」という事だった。私の当時のフランスから発売されるゲームの印象はグラフィックが素晴らしく美しい事、糞難しい事、マニュアルに何も書いていない事。だった。

つまりFuture WarsはAnother Worldは前作であるため、その全てを兼ね備えている訳だ。例えば森でコインが地面に落ちるのを発見して拾おうとする。グラフィックが美しく写実的…なのは良いのだがまずどこにあるのかわからない。200カウントのマウス(インターネットの情報によると、マウスは200カウントだが、ソフトウェア上は100カウント…らしい…そら無理だわ)だと、カーソルを対象に合わせてクリック…の時点でずれる可能性が高く、わかっていても中々上手くいかない。で、やっと選べたら次にプルダウンメニューを表示して拾おうとすると…またずれる。当時、結局コインを手に入れるのに20分ぐらい掛かった。

20分というのは当時のゲームに必要な時間からするとそれほど長い訳ではないが、簡単なただ地面に落ちているコインを拾うだけで20分はきつかった。まだコインを拾うのは時間制限が無いから良いが、序盤の終わりから時間制限のある行動が増えていくためどんどん辛くなってゆく。ちなみに行動に失敗すると即ゲームオーバーが多くてYouTubeの動画の方はあっさりとクリアしているが、1ドットずれたら死亡とか、知らないと絶対間に合わない部分がある。

ゲームにおいてグラフィックは重要ではない。という方々がいるが、私はゲームにおいてグラフィックは重要だと思う。現在では購入前に動いている画面を見ることが出来るが、当時は雑誌の小さな画面写真ぐらいしか見ることは出来なかった訳で、尚更重要だったと思う。最もそれから読者は妄想する訳で実際買ってみたらそうでも無かった…まぁそういうのは今でもあるか。

日本ではPC98に移植された。他にもあるのかも知れないが、(調べたらX68000版も出てたそうだ)解像度の関係からか、IBM-PC版を元に移植が行われた。パッケージは靴とペンキ版(ヨーロッパ版=オリジナル版)と、昇天版(アメリカ版)があるが、日本では昇天版が使われていたと思う。これに限らないが、アメリカ版のパッケージって案が10個あったらその中から一番酷いのを選んでるんじゃ…というのが多い気がする。

原題は”Les Voyageurs du Temps: La Menace”Google翻訳によると、タイムトラベラー:メナス…は?いや、原語だとまた違うのかも知れないが…メ、メナスですか…こればっかりは英語版の方が趣があっていいね。