2013年2月2日土曜日

ペルソナ4

2/2 訂正
以下、因幡市の記述は私の勘違いで実際には「田稲羽市」。

Gametrailers.comによるレビュー

このゲームがどういうゲームなのか知ったのは、Gamespotの2009年ゲームオブザイヤー関連の記事だったと思う。機種別でPlaystation2の大賞を取った…はず。対象の記事が見つからないため、記憶で書くが「既に物置に仕舞ってるPS2で埃を吹き飛ばして遊ぶ価値がある」みたいな評価だった。ちなみに北米ではShin Megami Tensei: Persona 4というタイトルで発売され、後で調べると珍しい名前等のローカライズを極力行わないという事で話題にもなったらしい(当時、日本のゲームで海外で名前等が変わるのは一般的な話だった)。

その2009年年末の私は年越しするゲームを探してインターネットを見ていた。で、その日の内にペルソナ4を買ってきた。概略はこんな感じ。

「両親の仕事の都合で主人公は1年間叔父の家で生活する事になる。そこで主人公は怪奇的な連続殺人事件に巻き込まれてゆく。」(自分の説明の下手さにちょっと感動した)

主人公は大都市の出身であるが、舞台となる因幡市はやや寂れつつある中規模都市で商店街はシャッター通り化が進み、人口も減少傾向にある。もう一つの世界は現実世界と対になる影の世界で、主人公とその友人たちは事件の謎を追いつつ、日々を過ごす事となる。

序盤の1時間ぐらいはほぼ全て状況の説明に費やされる。正直、初めて遊んだ時はここで嫌になって止める寸前だった。それでもなんとか乗りきれたのは興味深い舞台設定、キャラクターの個性、世界観にあったバランスの取れた音楽にあると思う。ただ、今遊んでも序盤は恐ろしくダルいので2週目以降、カットできても良かったのではと思う。

本編が始まると、突然自由度が上昇し以下の行動が選択可能になる(但し、全てがすぐに可能になる訳ではない)
  • 事件解決(あるいはレベルアップ)のために影の世界のダンジョンに通う
  • 主人公の日常生活を行う(部活、学業、飲食、バイト等)
  • イベントを実施し、コミュニティを強化する
ゲームでは行動毎に日数が消化されるため、選択はプレイヤーを悩ませる。ただ、期間内にダンジョンをクリアする以外にゲームオーバーを迎える事は無いようなので初めぐらいは自由に遊んで問題無いと思う。コミュニティというのは社交的な価値(恋愛、友情、信頼等)が主人公が使役するペルソナ(後述)の強化にも繋がるため、ゲームではコミュニティを築く事が非常に重要となっている。

コミュニティを築く事でキャラクターの掘り下げや、登場するキャラクターの多様化等が行われるため、ゲームと物語のどちらも効率良く回るという優れた特長となっている。また、最初のプレイでは全てを完走する事が困難なため、2週目以降を遊ぶプレイヤーへのモチベーションにもなっていると思う。

日常的な部分、また季節で挿入される学校イベント等も非常に丁寧に作られており、プレイヤーを飽きさせないようかなりの労力が払われている。これをそのまま北米で出したというのはかなりの驚きだ。何せ子供に(日本人が考える所の一般的な)弁当を渡したら親が学校から呼び出しをくらい、「他の子供に悪影響を与えますから止めて頂けませんか」と言われたというような話があるぐらいなので。スヌーピーを読んだ事がある人なら子供たちの紙袋を見た事があるだろう。あれが「一般的な」北米の弁当らしい。「bentouは実在するのか?」というスレッドを見たことがあるが、ああいうのは彼らには相当異質な物らしい。

主人公達は影の世界で戦うために街の中にある鉄の芸術家みたいな親父の作る装備や、ダンジョンで手に入れた装備で戦う。一応学生服の下に着ています。という設定になっているがこの辺は「キャッチ22なのでよろしく」という扱いになっている。主人公以外のキャラクターには各人に対応するペルソナ(特殊攻撃装備のようなもの)があり、各属性の利点と弱点がある。弱点は攻撃されると1ターンダウン状態となるため、他のRPGより属性への注意が必要であり、一般的な雑魚戦闘を興味深いものにしている。また、敵全員をダウン状態にすると一斉攻撃が可能で一部の敵を除き特大ダメージを与える事が可能というギミックがある。戦闘は非常にテンポ良く進み、完成度がとても高い。戦闘に関してはとても良くデザインが練られている。

ストーリーはジュブナイル的な物であり、特筆すべき点はそれほど無いが主要キャラクターについてはどの人物も丁寧に描かれている。また、主人公がRPGでは珍しい「冷静で天然」という変わった人物(開発者曰く、戦隊物のブルーを意識した)でRPGで良く見られる「熱血で馬鹿」と真逆の人物として描かれている。そのため、プレイヤーが置いて行かれる事が非常に少ないのが特筆すべき点だ。(いきなり叫んで誰かに斬りかかったりはしない。素晴らしい)ハンサム且つミステリアス(見た目は)で叔父曰く、「天然のジゴロ」だが確かにこれならモテるわな。という主人公だ。

ちなみにゲームの全体イメージカラーが黄色なのだが、これ北米で出すのは物凄い度胸のある話でそのまま出したのは驚きだ。北米では男子は「オカマになるな」という事を叩きこまれる。日本では協調性を叩きこむように、アメリカでは男子にマッチョたれ、と叩き込む(普通の生活から)。アメリカのティーンエージャーが良く「Fag(got)」という罵倒語を使用するのはそういう背景があるらしい。ネットゲームで彼らがああいう振る舞いをするのはマッチョたれ、という躾の成果なのかも知れない。まぁあくまでも聞いた話なので「君はマッチョになれと親に習ったのか?」とは聞けない。日本人だって、今の協調性をどこで習ったの?と聞かれても答えられないのと一緒だ。そういう社会だから。という事なのだろう。

…何の話だ。話を戻して音楽の話を。音楽は非常にテンポの早い曲が多くポップなゲーム内容に相応しい物が揃っている。珍しいのは歌入り(英語)の曲が多い事。里見の謎のように最後の方で歌が入るというのはあるのかも知れないが(いや、実際見た事は無いんだけど)、普通のシーンで歌入りの曲が多いというのは、レースゲームとペルソナ4ぐらいしか思い付かない。

Persona 4 - Your Affection

私としては普通RPGの戦闘で激しい曲が鳴るのは好きでは無い(飽きるので)が、ペルソナ4のボス戦の曲が好きだ。一般的には通常戦闘曲の方が人気あるらしい。なんだかんだで4周か5周か6周ぐらい遊んだのだが(なぜわからないかと言うと、一回データを消してまた始めたから)面白い作品だった。PS Vitaで増補版が出ているそうだが、増補版目当てに買いたいという程ではない…私には携帯機は敷居が高い。でも本体を買ったら必ず買うと思う。何やらアニメーションが追加されているらしいのだが、私はゲーム内のキャラクターを使ったカットシーンの方が好きだなぁ。

年に1回ぐらい発作的にRPGを遊びたくなる時がある。まぁ大体そういう時に買ったゲームは悲惨な結果を生む事が多かったが、このゲームは違った。今は輝日東にいるので、因幡市に行くのはまた今度…でも年内には多分行くような気がする。

[Persona 4] Hiimdaisy Comic Dub (Full Version)
注意:ネタバレアリ
Hiimdaisyという人の書いたWebパロディ漫画にファンが音声等を付けた物らしい。堂島の扱いが酷い。