2016年12月4日日曜日

Heart of Iron IV

Hearts of Iron IV - "Take Action" - Release Trailer
圧倒的に足りていないフレーバー。

ゲームとしてはかなり意欲的なデザインで、デザインとしてなら見るべき点(制空権の明確化、戦線の構築等)も多いのだが、学習曲線としては3よりはかなりマシなものの、ともかく分かりづらい。2と比べると一見自動化された部分が多いように見えるものの、結局の所前線は自動化すると洒落にならない結果を生むことがある。前線を維持するのはギリギリなんとかなりそうだが、「やっぱり自分で操作しないと駄目なんじゃないのか?」と思わせられる事が多すぎる。いっその事、「前線別」に戦力を投入して双方が自動化(攻勢をかけるとか、防衛するとか決めて)した方が良かったんじゃないの?戦略級なんだし。
とは言え、航空戦が単純化された事で労力が減った部分は大きいと思う。攻勢時にも制空権が有利に働く等があるため航空機開発は重要さを増したのでは無いだろうか。

インターフェイスは単純化しようとしてデータが見えない部分が大幅に増えた。カーソルを合わせると詳細が見える事もあるが、情報パネルはあまり役に立たず、必要な情報は手作業で探す羽目になる。

でまぁ3以降何故か消そうとしているのがフレーバーだ。2は「これは第二次世界大戦なんですよ」と激しい主張をしたゲームだったが、4は本当に極力そういうのを排除している。申し訳程度に武器や本当にごくわずかな人物のみポートレート化されているが、バルト三国に至っては首脳が「全員同じ顔」だ。信長の野望全国版みたいだ。

研究に至っては相当単純化されて見る影も無い。選択の余地がほとんどなく、必要なのを順番に淡々と処理していくだけだ。妙に細かい所(飛行機や車両が1台単位)が増えたのと同時に異常に単純化された部分の乖離が目立つ。結局細かい所もプレイヤーがやらなければならないのでゲームとしての手間は個人的には2より上だ。なぜなら自動化された部分も結局面倒を見てやらなければならないし、当然細かい部分も目を配らなければならない。

パラドックスの近年のデザインは全部こうなってきているのが、見守る時間がどんどん減っているという事だと思う。絶えず「確認」「確認」「決断」「確認」だ。どうしようも無く見守る時間が私に取ってパラドックスの良さだった。正直言ってつまらないRTS化(全部のユニットで細かく指示して…みたいな)が激しい。

まぁこれでフレーバーがあればプレイヤーは勝手に楽しめる部分もあるのだろうが、政治的な部分を避けたいのか、そういう要望が多いのか知らないがフレーバーは激減だ。地図も作戦地図みたいのが、詰まらない学習アプリのみたいになったし、ポートレートは正直描いた人が下手なのか誰が誰だかよくわからない。「肖像権の問題があるから特徴は極力消しました」なのか?マンシュタインもグーデリアンも初めて見たとき誰かわからなかったぞ。
グーデリアン、マンシュタイン、ロンメル
これらはマシな方で他の国だと知人の学校の卒業アルバム状態だ

「単純にしたいけど、出来なかったから全部手動でやってね」という印象が強い。もちろん3よりは相当マシだ。3は「このロボットは上手くいけば階段も登れます…満足には歩けませんが」だったから。

現在、DarkestHour+Iron Crossが私に取ってのHoIベストだが、これが変わる事はなさそうだ。…Iron Crossは再販売する気無いのかね?私はあの技術ツリー感動したよ。問題が全く無い訳ではないが、素晴らしいデザインだ。