2013年1月11日金曜日

Far Cry 3

Angry JoeによるFar Cry 3レビュー
予想外に面白い。

ゲームの概略は南国(太平洋戦争当時の日本軍の大砲等がある太平洋の島)でバカンス中に一緒に捕らえられた弟、友人達を現地の人間の力を借りて助ける。という内容。

最初は頼りない文明人の主人公が、戦いを経て徐々に狩人として目覚めてゆく、のが成長要素となっている。レベルアップ時に一般的なスキルツリーを構築してゆくが、上のスキルをアンロックするためには
  • 要件を達成する(ステルスキルを3回、とか)
  • ストーリーを進める(進める事で新たな才能を得る)
という感じ。敵は火力はともかく、数、増援等があるため正面から突破するのは若干難しい。それぞれのHPがボックスにわかれておりHaloで使用されたシステムに似ている。そのため、ステルスで有利な状況を生み出す事を求められる(ミッションによっては警報が鳴らされたら失敗する物もある)事前に双眼鏡で敵を確認する事で敵の動きを完全にトレースできる。一度双眼鏡で視認した敵は壁の向こうでもわかる。シルエットとはいえ、完全に描画されるため、LoSについても判別可能だと思う。

現実の世界では存在していても、ゲームで表現する事が難しい才能として、追跡技能があると思う。今までも足あとを表現したり、レーダーで表現したりといった試みが行われてきたがこれだけストレートな表現は初めてだと思う。このシステムはゲーム上で上手く表現されていると思う。

視認した敵は頭の上にアイコンが表示され、ただのアサルトライフルを持ったヤツなのか、手榴弾を投げてくるヤツなのか、スナイパーライフルを持ったヤツか識別可能だ。最初のFar CryではこれをAIで実装しようとして、結論から言えば上手くいかなかった。つまり近代戦の鉄則である「最初に殺すのは指揮官と通信士」をやろうとした訳だ。AIの負荷が高すぎたのか、上手に実装できなかったのかはわからないがFar Cryを遊んでそれを感じる事は無かった。Far Cry 3でそれを上手に表現できた、とは言わないがイニシアチブを取った際に「どの敵から始末するか?」をプレイヤーに考えさせるなら現時点では十分に目的を達成していると思う。大きな一歩だ。

ストーリー上でプレイヤーは狩人として覚醒してゆく、という部分があるが、これは武器以外の装備を充実させるためのクラフト要素として取り入れられている。例えば持てる弾数を増やすにはバッファローの皮2枚といった感じで徐々に難しいターゲットを狩らなければならない。という感じだ。銃があれば野生動物より圧倒的な強みではあるが、獰猛な生き物相手だと一瞬で殺されるため、結構な緊張感がある。

インターフェイスはかなり使いにくく、意図がわからない。おそらくコンソール版をそのまま使っているのだろうが、こんな酷い代物で問題にならなかったのだろうか。インベントリも凄くわかりにくい。Red Dead Redemptionでも似たようなインベントリだったが、Far Cry 3では洗練されているとは言いがたい代物だ。

E3の紹介を見た時には正直言って面白そうには見えなかった。射撃感も不足している(これは実際に不足している)し、舞台も魅力的に見えなかった。オープンワールドのFPSと聞くと反射的にBoiling Pointを思い出したのも敬遠した理由の一つだ。
Boiling Point:Road to Hell(2005)
それでもSteamの安売りと好奇心(私はAngry Joe Showのファンなので)に負けて買ってしまった。最初は前述のインターフェイスで眉間にシワが寄りっぱなしであまり乗れなかったのだが、クラフトで動物狩りをしている辺りから面白くなってきた。

ただ、どうなんだろう。今まで1も2もパッとした作品じゃなかった訳で(1は技術的には凄かったが)それの3って言われてもピンと来ないような気がする。リブート的に「Far Cryなんとかかんとか」みたいなタイトルにした方が良かったのでは。発売時から評判の良いタイトルではあったものの、Far Cry 2が「行ったり来たりゲーム」だったので不安だった。3はその点が大きく改善されており、何よりも敵の拠点を偵察し、攻撃プランを組み立て実施(そして失敗)するのが楽しい。

ゲームにおける世界観とは何なのか。という話があるのだが、ゲームにおける世界観というのは物の設定がどう、とかストーリー、前提となる神話とかでは無い。画面に見えている物以外をプレイヤーに感じさせる事が世界観なのだと思う。我々が直接見ているのは通常モニターだけな訳だが、その見えていない部分を感じる、あるいは考える事ができる事が出来たのであればゲームの世界観として素晴らしい物なのだと思う。

私はゲームを立ちあげてしばらく「この作品は面白く無いのでは無いか」と思っていたが、私の直感は当たっていなかった。それが嬉しかった。

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