2019年12月29日日曜日

Star Wars: X-Wing


LucusArtsは8bit時代からゲームを作っていたが、1988年に1942年の太平洋戦争を扱ったBattlehawks 1942を皮切りにWW2のゲームをTotally Gamesと共に作り始めた。その技術の蓄積…かどうかはわからないが、1993年に作り出されたのがStar Wars: X-Wingだ。プレイヤーはX-Wingのパイロットとして、ミッションクリア型ゲームに挑む事となる。最終的にはデススター上空の戦いで生き残り、例のトレンチランを行う。


多彩だが、ミッションに特に新鮮味は無い(そりゃあ基本的にはWW2の構造と一緒だから)ものの、音楽、効果音等は間違いなくStar Warsのモノで、AtariのStar Warsが最高傑作だった、という記憶が塗り替えられた瞬間だった。後年ナムコがスターウォーズバトルポッドとか言う「なんで今更こんなくだらねぇゲーム出したんだろう…」という謎のゲームを出したが、結局デススターの戦いはこの作品以上の物は出なかった。

宇宙空間なので失速する事は無く、初心者にも操縦しやすい。運動エネルギーはあるので、簡単に自由自在に飛ぶ事は出来ないが、このゲームでのX-Wingは強力な変更シールドは前面と後面に分かれ、エンジンの動力割り振りによって速度を犠牲にシールドを強化したりできる。私は下手だったので、いつも速度を削ってシールド回復にパワーを回していた。で、四苦八苦してトレンチまでたどり着いた物の、強烈な対空砲火以上に、映画には存在しないT型のアーチや様々な障害物があり、これに激突すると即死してしまう。速度を落とせば簡単に回避できるものの、今度は対空砲に撃ち落される。ちなみにトレンチ外に飛び出してしまうとミッション失敗だ。
 
店でクリアした人と話していたら、「スピードが足りてない思いますよ、あと後部シールド切ってますか?」切っていないと伝えると「それじゃ無理です。思い切ってシールドはギリギリまで落として、速度を限界まで上げてください」

実際やってみた。障害物は恐ろしいものの、対空砲火は全然当たらない!…冷静に考えたら映画でもそんな事言ってたな。とはいえ、何回かの激突死を繰り返し、初のプロトン魚雷射出は見事に外れ、次に発射後の上昇に失敗し機体がぶっこわれ…を繰り返しているうちに、ああ、ルークと違ってフォースは無いので攻撃コンピュータが必要です。あれって無くても当たるんだろうか。遂にデススターの破壊に成功した。

原作のあるゲームはゲームとしての面白さ以上に、フレーバーが大切だと思う。その点、このゲームは素晴らしい内容だった。宇宙戦闘ゲームとしてはその後今でも最高傑作となるFreespace2が出たが、トレンチランはこのゲームが最高傑作だと思う。ただ、今の人が遊んで面白いゲームかと言われると「無理かな」と思う。

STAR WARS™: X-Wing Special Edition
GOGで今でも購入可能。もちろん現行のOSでちゃんと動く。その後TIE Fighterとか色々出たが当たり前だが、トレンチランみたいに盛り上がる訳では無いのでゲームの豪華さは増すものの、結局この作品を越える事は無かった。

Star Trek: Bridge Commander
その後Star Trekの佳作Bridge Commanderを出して、WW2物のSecret Weapons Over Normandyを出したりしたが2015年に消滅したらしい。

で、調べている最中、初めて知った事があった。デススターのトレンチは私はずっと赤道部分だと思っていたのだが、実は経度だったのだ。結構驚いた。スターウォーズマニアの常識なのかも知れない。ひょっとして有名な話なのか?

WoW Classic

待った甲斐のある内容

World of Warcraft Classicは所謂”バニラ”(拡張キットを含まない状態)を2019年に遊べるプロジェクトだ。
バニラと言われているが、2004年11月頃の初期状態では無く、2006年8月頃のバトルグラウンド(規定マップで数十名のプレイヤー同士が戦争するモード)実装後で、Burning Crusade(ポータルで別世界に行ける)導入直前ぐらいの世界だ。

レベルは1~60、職業や騎乗の種族制限は一切緩和されていない。2006年の状態なので全体的に難度は緩和されているが、今遊ぶと結構難度は高い方だろう。とはいえ、2004年当時はソロでレベル最大に成れるMMOは無く、「こんな簡単にレベル上げが出来るなら誰でもレベル最大になれる。これは問題だ」という趣旨の論調も一部では強かった。

そうは言っても誰も彼もパーティを組んでギスギスしてプレイするのを好きな訳では無く(偏見)気軽に楽しめるし、アクティブなメンバーと組めば挑戦も出来るという幅広い内容と、クエストメイン(クエストがあるゲームはあったが、クエストが中心のMMOはWoWが最初)でGrinding(日本で言えば狩り?経験値稼ぎ?)中心では無いMMOはとても斬新だった。

という訳で発売当初から遊び始め、忙しくなったり疲れたりで遊んだり止めたり止めたり…でもう15年前のゲームだ。PCの買い替えを除けばインストール状態だけはずっと維持されていた。 Warlords of Draenor(2015)で復帰してゲームもそれなりに楽しんでいたのだが、どうにも当時我慢出来なかったのが、自キャラクターの顔が突然変わった事だった。流石に9年間(何度となく休んでいたが)見慣れた顔が別人(しかも…まぁ、あれだ。不細工)になるのはかなり衝撃的だった。駐屯地を上げている最中ぐらいに止めた。それから1年ぐらいで初めてアンインストールした。

つまり、今回のアカウント復帰はあれから4年後という事になる。もちろん目当てはWoW Classicだ。WoW Classicを遊ぶのに必要なのは、Battle.netアカウント、WoWの月額課金がアクティブ状態。これだけ。つまり課金がアクティブなら無料で楽しめる。もちろん通常のWorld of Warcraftも遊べる。現在はLegionという拡張パックまで込みで最大レベルは110だ。更に金を払ってBattle for Azerothを買えば最大レベルは120だ。

発売当初と”バニラ”の違い

先に難度は高かったと書いたが、具体的にはモンスターはもっと逃げた。人間の最初期エリア、Elwynn ForestでさえMurloc登場からソロは一気に難しくなる。Murlocは小型で見つけにくいが、HPが1/4ぐらいになると逃げだす、HP回復に薬さえ使う。逃げた先に仲間がいると一緒に襲ってくる。その状態で戦うと高確率で死ぬ。また、集団性を持つモンスターのスポーン拠点には同時に3体居る事も多く(つまり3体同時に戦わないとならない。まぁレベルが高く無いと死ぬ)グループは圧倒的に強く、ソロはスポーンのクラスタのへり辺りをウロウロして、狙いやすいのを襲う訳だ。

”バニラ”ではこの辺が大幅に緩和され、Elwynn Forestで逃げるのはGoldtoothぐらい(Hoggerも?)だろうか?発売当初はStunやSnareが無いクラスは逃げるモンスターを殺すのが大変難しく、特にパラディンはたった一つ(しかもクールダウンがちと長い)のスタンしか持たないので、「殺される事も無いが殺せない」ので有名だった(対人でも)。発売初期のバージョンでは、特に序盤はスペルを使うモンスターのスペルを如何に止めるかが重要だった。ウォリアーでは2発呪文を食らうと大幅にHPが減るので、可能な限りスタンで食い止める必要があった。逆に布の鎧は元々大した軽減も無いので逆に呪文を食らってもそれほどビビらない。ウォリアーならChargeでStun、あとはSlamで阻止できた…と思う。パラディンはここでもHammer of Justice一本で粘らなければならない。

ペットは大幅に強化され、かなり固くなったが、発売当初は扱いが難しかった。

例えば、現在だとスキルを使って攻撃する、ペットが飛び掛かる、ペットにターゲットが移る、攻撃を続ける、勝利。という流れだが、昔はまずペットをけしかけるとペットが耐えきれずに死ぬ。あくまでも攻撃のメインはプレイヤーで撃つ、モンスターが向かってくる(この辺でペットが飛び掛かる)接近前に1,2発(スキルも併せて攻撃する)の後に近接戦闘に移行、武器は自動的に持ち替えられ、近接武器専用のスキルを使い(ローグのステルスの様に)戦う。不味いパターンはペットからターゲットを引きはがすのに失敗し、ペットが死亡、一人で戦い辛うじて勝ったとしてもペットの蘇生、機嫌の悪くなったペットの機嫌取りの食べ物は常備(ペットは食性を持つので色々事前準備が必要)。機嫌取りは拡張パックとかで無くなったと思うが、いつ無くなったのかは憶えていない。

金。金は感覚的には3倍ぐらい手に入る(現在のWoWでは700倍ぐらいだ)のでスキルを全部買ってもなんとかなる。そう現在のWoWではレベルが上がればスキルが手に入るが、当時は買わなければならなかった。そのせいでいつでも金欠状態で、「レベル60になったが、騎乗スキルすら買えない」というのが珍しい話でも無かった。現在のWoWでは20レベルになった直後に乗れるが、Classicでは40(速度+60%)だ。60では、速度+100%のが買える。ペット職はペットのスキルも買わなければならないので、他のクラスより金の消費は厳しい。ワーロックだと4種の召喚悪魔全部のスキルを買うのは相当厳しいだろう。そういえば、サキュバスのデザインは現在のとかなり異なり、Ashenvaleのケンタウルスみたいな「自然な」(要するに何も着ていない様な)デザインで、問題になり変更になった。

生産は現在のWoWでは趣味の世界だが、レベル間の間隔は”バニラ”ではかなり長くなるので、ある程度意味がある。少なくとも鞄を作れるメリットは非常に大きい。理由としてはクエストではほとんど鞄を貰えない事、それと鞄のドロップはかなりランダム性が高い事、最後に「ゴミ」の数が非常に多い事。ルートできる金が非常に少なく、レベル10でもケチりまくっても銀貨30ぐらいしか溜らない。もちろん武器はクエストか拾った物でカバーする。郵便は銅貨30なので多用すると確実に苦しくなる。とはいえ、郵便が無いと生産の価値が減るのも事実だ。

混み具合?

北米のスタンダードタイムは午前から午後に掛けてで、休日とかに繋ぐとスタート地域は激混みだ。日本での標準的なプレイ時間だと北米は真夜中から朝方なので人口はとても少ない。”バニラ”のポップは動的では無いので人が少ない方がプレイは楽だ。とはいえ、レベルのばらつきが出ると感覚的に徐々に人口は減る「らしい」。私はまだそこまで高いレベルに達していない。ちなみに”バニラ”の北米プレイヤー人口は約200万だそうだ。(欧州は約100万)。Blizzardも予想外だったのか、Realm(サーバの事)は何度か増えている。

Classic WoW Realm Population Report - Data Aggregated Through Community

私の様に無人なのが「最高」状態な人は少ないだろうから、「混んでる」状態のMMOを楽しみたい人には北米よりオセアニアとかの方がいいかも知れない。…”バニラ”のオセアニアサーバってあるのか?と思ったら4つあるのか。なので混んでいた方が良いという人はオセアニアサーバも選択肢に入れる必要があるのかも。

とはいえ

私の考えていたバニラと”バニラ”の間には大きな開きがあったのは事実。North Shireの最後のクエストでは3対1で戦う(一人でやっていたら)が、今は二人しかいない。初めて遊んだ時にはもちろん殺された。逃げる敵を如何に足止めするか、戦いの最中ずっといつでも逃げられるよう心構えをする必要は”バニラ”では余り無い。ネットの記事では「開発当初の姿」と書かれているが、そんな事は全然無いというのは既に書いた通りだ。私が遊びたかったのは開発当初のバージョンだったのでそこは若干残念だと感じている。まぁバグ取りとか考えるとそれは厳しいのだろう。仮に数年前にAOR以前版のUOが出たら戻ったのかもしれないが、もう私がブリタニアに戻る事は無いのだろう。リネンの鞄をようやく揃え、旅路も少し楽になった。現在のWoWではMP管理はほぼ不要の様だが、飲み物(MP使うなら)と食べ物が必須という”バニラ”の旅が面倒と感じるか、楽しいと感じるかは人それぞれだろう。食料も尽きて比較的安全な場所で座って回復を待ったりする経験はバニラの経験の一部だ。バニラでは難所の戦闘ではHPBuff効果のある食べ物を食べ、武器を磨き(Sharping Stoneとか)、薬を準備して死にかけながら達成するのが普通だった。”バニラ”ではそこまでの準備は多分必要無い。

本音を言えばそれがやりたかった気持ち半分と、疲れるからもうそこまではしたくないと言う気持ちが半分だ。昔程自由になる時間も確保できないので、これぐらいがちょうど良いのかもな。

まぁWoWの課金だけで、WoW(新しい拡張買って無くても、レベル110のLegionまで)を遊べてWoW Classicも遊べるなら安いと思う。

Blasphemous

もういいわ。

物凄いグラフィックと世界観で話題になった、スペインのThe Game Kitchen
スペインと聞いた段階でやべぇかもと思った方もいるだろうが、まぁ正解だ。
グラフィックと世界観は突出して素晴らしい。…のだが、ゲームは全くもって苦痛以外の何物でも無い。ともかくひたすらダメージを与えようとするステージデザインと即死のオンパレード。死んだらセーブポイントからやりなおしなのだが、マップがとても見づらいのもあり、全力でプレイヤーのやる気を削ぐ。レベルが上がる訳でも無いのでモンスターを倒す必要性が低い(「金」みたいのは入るのだが)。遊んでいても達成感の様な…まぁこの世界観で達成感なんて言われても、というのも確かにそうだが、徹頭徹尾遊んでいても面白くはならない。そのため、グラフィックと世界観のブーストが切れた瞬間目の前にあるのはひたすら即死で戻される徒労感の強いゲームだ。

ああ、メガドライブのゲームっぽいってのは確かにそうかも。グラフィックと世界観目当てなら…YouTubeとかでも問題無いのでこのジャンルを遊んでみたいのなら、Dead Cellsをお勧めする。

頑張って3つ目ぐらいのステージまで進めたが、前述のとおり「もういいわ」と思ってアンインストールしたので二度と遊ばないだろう。