2020年12月30日水曜日

2020年ベスト&ワースト

2020年ベスト&ワースト 
ベスト&ワーストは私が単にその年遊んだゲームから選ぶ代物で発売年等は一切考慮しない。 

2020年ベストゲーム
寄居隅怪奇事件簿 Hermitage Strange Case Files(PC) 
2018年に発売された中国のArrowizのAdvである、寄居隅怪奇事件簿は2017年の上海(ゲーム中では新都と書かれる)を舞台とした、一風変わったクトゥルフを題材としたゲームだ。
クトゥルフ物で多いテンプレート的展開はほぼ無く、怪奇物を含む簡単なミステリとして進む。因みにTRPGがどう、とか書かれている事があるが、実際にはTRPGの「リプレイ」を基にしたゲームで、現在はヴィジュアルノベルだ(諸事情でTRPGリプレイモードは削除された)。予告でもリプレイ部分が表示されるが現在のバージョンには含まれていない。



日本の様々なAdvに影響されつつも、上海を舞台として展開する独特な内容とやや類型的とは言え魅力的な登場人物達の物語は、非常に面白(…何故ここで終わるかと言えば、まだ終わってないからだ。全文中国語なので)

 

流石に全文中文で読むのは辛いので、私家版MODを作りつつ、やっと終盤に差し掛かった。
登場人物達のグラフィックも良いが、Vanguard Soundによる音楽も素晴らしい。
SteamではSaleなら本体、サントラ、美術資料集合わせても\1,000円しない。

 

尚、2021年Q1に、ドイツのGiiku Gamesから英語版が発売予定だ。


2020年ベストADV 
Return of the Obre Dinn(PC) 
全員が死んだ状態で見つかった帆船で全員の死因を調査するADV。物凄い手間の掛かってる作品で、なるほど評判が高いだけある、と思える。ただ、酔うのでそこが辛い。

少しづつ集まる情報を組み立てる事に喜びを感じる人は相当楽しめるだろう。出来れば一気に遊んだ方が良い作品なのだが、私の場合一気に遊ぶのは体が拒絶するので無理だった。


2020年ベストRPG 
World of Horror(PC) 
日本の架空の都市を舞台にした伊藤潤二物のRPG。ローカライズのアナウンスがされたのに、全然進まないのは今も猛烈な勢いで拡張してて、見てると「これは当分ローカライズ無理じゃないの?」という状態だ。何せスタッフは音楽を除けばほとんど一人なので。

RPGというよりは、ソロプレイのカードゲームみたいな感じの内容で、何らかの(死ぬとか狂うとか世界が破滅するとか)終わりを迎える前に、旧神の復活を止める、その為には5つの事件で生き残らなければならない(つまり、おいおいってEDでも構わない)。
ゲームプレイはシンプルで、サブ目標(多く二つぐらい)を達成して、メイン目標を達成すればクリア。という作りなのでUIさえ慣れれば遊ぶのには支障は無い。


次点はCyperpunk2077。新しいPCが来たものの、時間が無くて余り遊べていないが、ゲームとしては意外な程普通である。

 
が、この狂った準備された舞台を見るだけでも十分価値がある。ちゃんと今見ておいた方が良いゲームになっている。少なくとも次の最先端になるゲームはこれを超えなければならない訳だ。

2020年ベストサウンドトラック 
寄居隅怪奇事件簿 Hermitage Strange Case Files(PC)  
Vanguard SoundのRabbitJとHaloweakが手掛けている。会社としては少女前線(日本ではガールズフロントラインというタイトル)、魔女兵器(日本ではサービス終了)、聖女戦旗(日本語版は開発中止)等を手掛けた会社。落ち着いた曲が多いが盛り上げる所はちゃんと盛り上げてくれる。


2020年ワーストゲーム
Vampire The Masquerade - Coteries of New York(PC) 
「え?これFlashゲーム?」みたいなやる気の感じられない恐ろしく使えないUIと、眉間にシワの寄ったまますぐ終わるゴミみたいなシナリオ。味のない選択肢が続いた後、間違ってるとセーブ消されて最初からだ。そもそも選択肢で物語が変わる訳でも無いのに。これの続編が出たというのが驚くが、世の中には不思議な事があるものだ。

2020年最もガッカリしたゲーム 
Jenny LeClue - Detectivu(PC) 
途中までは結構面白かったのだが、打ち切りエンドみたいな終わり(しかも終わらない)で続く。幸いApple Arcadeで金が入ったからか、未収録だった音声も収録されるそうだが、7月発表以降は音沙汰が無い(ひょっとして付いたのか?)。まぁ付いてもやらんけどな。

次点はアストロシティミニ。タイトルはともかく、設定無しという仕様は驚いた。流石SEGAだ。

2020年EA賞 
Snapshot Games(Snapshot Games)
詐欺に詐欺を重ねるという斬新な手法で注目を集めた。
最初FigでCrowdfundingが行われた。
ちなみにFAQはこう。
SteamとGOGで出ると、なるほど。
そして御存知の通りEpic専売になった(ユーザーの事を考え、だそうだ)。当然Backerは「ふざけんな」と思ったので「じゃあしょうがないから1年後にやるよ。キー、これでいいだろ、貧乏人?」というやり取りがあったか知らないが、1年待つ事に。
2020年12月にSteamで出るというメール。それから11月に「Phoenix Pointについてあなたのお気持ちを三問で答えてください」という理解不能なメール。何を答えろと?遊んでもいないのに。因みに満足度をお答えくださいというところで「これ詐欺だろ」って書いたらわざわざCrowd Oxからメール配信状況とか確認して、Snapshot Gamesにも転送しますって返事が来た。Snapshot Gamesは詐欺会社だけど、Crowd Oxは真面目な会社なんだね。

で、いよいよSteamキーが来てインストールすると…

「貴方の個人情報集めて自由に使いますんで、4649!」というカジュアルな詐欺画面が開く。因みに同意しないとクライアントは落ちる。GDPRだからという擁護もあるが、正直実際読めばわかる(と、言いつつこのやり方が汚い理由にゲームを立ち上げないとこの画面出ないのだ)が、GDPRだとしたら結構怪しいんじゃないの?という内容だ。まぁあれだ、マルチのゲームならEULA凝るのはいいよ、それは理解できる。でもあれだ、シングルゲームしかしないプレイヤーの私がなんでこんなの同意すると?

「貴方達の信頼をお金に替えました。でも私達を信頼して貰えませんか?」
Snapshot Games
…それはあれだ、無理だろ(笑)

蛇のように執念深いゲーマー達相手にこれだけの詐欺を働いた度胸は評価されても良いのだろう。

次点はDeep Silver(Deep Silver)。そこまでして引っ掻き回したいものか?上層部がイカれてるのか、ただの馬鹿なのか。

2020年恥知らずな会社賞 
EPIC(EPIC)
ログインボーナスがあるのか知らないが、まめに無料でゲームを配り続けてる。実弾はいつまで続くのか。こんな事する前に評判悪いClientをなんとかする方がいいが、きっと「ユーザーの事を考えて」ああいう事してるんだよきっと。

2021年展望
遂にCyberpunk 2077が出た。延期になったのは知っていたが、実際に発売されると知ったのは1週間ぐらい前だったので、本当に難航してたのだろう。史上最高の作品では無いが、今見ておかないと古い作品になる、ゲームなので既に冷めつつある熱気を感じて損は無いだろう。というか本当に冷めるの早くなったよね、時代なのかも知れないけど。

Crowdfundingの時代が終わり、次にIndiesの時代も終わった(注目すべき作品も出ているが、大半は既存のゲームのクローンみたいな代物だ)。次がどうなるのか霧の向こう状態だ。一昔前はPCゲームの大半はコンソールに食わせてもらってます、みたいな感じだったのに、いつの間にかPCが先頭に返り咲き、コンソールのLaunchに「すいません、これ以外には?え?これで全部?」みたいな事になった。Xbox Oneは買ったが、遂にPS4は買わなかった。買うソフトが無かったからだ。今の世代はどれも次世代という感じもしないし、注目すべきゲームも出てくれなかった、残念だ。昔はコンソールって結構長い事使えたもんだが、今じゃ数年持てば良い方だもんな。

TencentがEpic(Epicの親会社はTencent)も青くなるような実弾展開を行うのか、その辺の先行きは全くわからない。正直プラットフォームとしてのEpicの先行きは真っ暗なので、仕切り直すのか、別な何かを始めるのか。ただ、実弾で何とかなる時代は終わって、今はプラットホームの時代なので、そこに食い込むのは大変なんだと思う。それこそOSをフルスクラッチするぐらいの根性が必要なんだろうから。実弾でなんとかなるなら、Epicはもっとまともに勝負できるはずだ。未だにEpicの話題は「無料ゲーム」以外に無いのが現実だ。

2021年には多分、8月か、9月に突如ゲームプレイが公開され、話題になったBlack Myth Wukongが出る…か?

2021年も私家版の制作は続くが、まだ私家版作りたいのが幾つかある。時間以上にやる気が欲しい。

2020年12月20日日曜日

The Outer Worlds

(2020/12/20追記)

これを書いていたのは8月頃だった。今Steamで発売されているバージョンは文字表示が腐ってるが、この時点ではMicrosoft Store版は問題無かった。が、現在はMicrosoft Store版も同じバグがある。どうやらMicrosoft系のゲームは既に日本向けQAチームは存在しないらしい。

(追記終わり)

Microsoft Storeで半額。あと数か月でSteam版が出そうだったが、耐えきれずに買ってしまった。

結論から言えば買って損の無い作品であった。


作品の規模感から言うと、New Vegasの三分の一ぐらいの印象だ。
恐らく予算も時間もNew Vegasに比べれば少なかったのだろうが、その中でベストな選択をしたのだと思う。マップがエリアで分けられているので、恒星系一つという割にゲームを遊んでいて広大という印象は受けないだろう。ただ、そのおかげでObsidian作品にしては珍しいぐらい(Fixされたのかも知れないが)トラブルは起こらない。

Fallout3型のオープンワールドとしては珍しく、ヒトはちゃんと人っぽく、キャラクターも美人は美人っぽくなっている。開発リソースが限られているのでジェネリックっぽい作りはあるが、Bethesdaの様にマネキン感は余り感じられない。それを感じさせない様、結構な人数がフルフェイスマスクにしているのだろう。なので他の会社が無理して作ったオープンワールド系である「途中で力尽きたのでコピー&ペーストだらけ」という事も無く、こじんまりとしているとも言えるが、世界は統一感があり、且つきちんと作られている印象を与えるのは老舗の技術の賜物なんだろう。

ゲームの流れはメインクエストにある程度のサブクエストという感じで、サブクエストも水増し感(とりあえず耳5個持ってこい、みたいのはまず無い)は余り無く、逆に言えばだらだら遊べる要素はほとんど無い、そこがNew Vegasとの大きな違いではある。私としてはもう少しだらだら遊べる作りの方が嬉しかったが、まぁしょうがない。

キャラクタービルドはかなり楽しい。DLCが入ると変わるのかも知れないが、スキルMAXだらけという程レベルは上がらず、捨てる要素は捨てていかないと育てるのは厳しい(その替わり、絶望的な状況からは抜け出しやすい様デザインされている。ここは凄い考えられている)PERKはレベルアップ以外に、弱点による獲得がある。

例えば、爬虫類に攻撃を喰らいまくってると、爬虫類恐怖症を「得られる可能性」がある。恐怖症を持つと、その状況かでそこそこのキツイペナルティを喰らうが、PERKを1点得られる。つまりPERKを取るか、弱点を増やすか選べる。PERKはかなり強力なので、天秤としては上手く働いている。ただ、弱点を増やすのは心理的圧力が高い。

Obsidian作品全般に言える事だが、自分の選択に重みを「感じさせる」作りはいつもながら見事だ。もちろんゲームなのだからレールには乗っている訳だが、少なくとも「分岐の切替は自分が行っている」という感覚は十分得られる。つまり自分のやった事には責任が付きまとう。それが良きにせよ悪きにせよ。率直に言ってしまえば、Bethesdaの作品にはそれが無い。この作品では「結局そうなるんだろ?」という事は無い。取り返しのつかない事も出来てしまう。なにが善で何が悪かは人それぞれ違うだろう。なのでそれが悪い結果を生むだろう、と予測出来たとしても、だからと言って玉虫色の結論が出せない時もある。結果、ろくでもない事になったとしても、自分で下した結論は大切だと思う(また、ゲームとして大切に扱って欲しい)。Obsidianは完璧な会社では無いのだろうが、現在に至るまである程度のファン層を確保しているのはその部分にあると思う。

ちょっと脱線するが、「シナリオ」とやらでプレイヤーが関与しない(主人公は関与「してるらしい」)事象で責任を「取らされる」シナリオを書く馬鹿がいつの時代にも居る。
本気で理解出来ないのだが、あれってゲームとして面白くなると思って書いてるのか?
「貴方は前世で悪事を働きました。だから死ななければなりません」と言われて「じゃあしょうがないよね」ってみんな思うの?なんかそういう作品で「素晴らしいシナリオでした!」みたいな事言ってる人間が私には理解出来ない。
主人公=プレイヤーでは無いが、主人公≧プレイヤーぐらいではあって欲しい。
Bioshock Infiniteみたいに「我々のゲームの開発が失敗したのは貴方のせいです」みたいのはシナリオは本当に理解に苦しむ。風呂敷を畳むどころか放り投げた責任はプレイヤーにあると?
New Vegasでも運び屋という世界の一員に過ぎない主人公が個人的な理由で行動を開始する。The Outer Worldsでも解凍された一人として始まる。この辺は優れていると思う。Pillars of Eternityはゲームとしては優れていたが、まぁ前世系のシナリオではあった。少なくとも、オープンワールド系の作りにするなら、前世系は止めた方がいいんじゃないのか?
シナリオがイマイチだろうが(私はRPGのシナリオ全般余り興味が無いのだが)プレイヤーの選択に責任が生じるのなら、その方が良い気がする。Mass Effectの1とかシナリオとしてはイマイチだったが、ちゃんとゲームは盛り上げてたと思う。2以降は全部ゴミみたいになったが。なんというかゲームマスターの朗読会に参加してる訳じゃねぇんだよ。

まぁ、遮蔽物使って撃ち合うゲームって大体Police Squadの銃撃シーンだよな。
レーザー銃がダンボールで止まったりとか。XCOM2とかもそうだったけど。

脱線終わり。

期待さえしなければ、値段値はある。「New Vegas再び」とか思ってるなら、New Vegasの方が優れていると思うよ。「似たようなゲーム」探すぐらいなら、別のを探した方がゲーム人生は豊かになると個人的には思う。