2022年7月16日土曜日

異夢迷都

 寄居隅怪奇事件簿を作ったArrowizの新作(2021年4月にティーザーが発表された)、異夢迷城が、日本題「異夢迷都」として遂に発表された。

・二人の主人公

 若き探偵の「名無し」

 駆魔師の「鍾馗

プレイヤーが操作するのは主にこの二人。


探偵の名前は今回初めて紹介されたが、「Doe」はどうやら「John Doe」であるらしい。


昔のティーザーで見た時は現実世界での捜査を探偵が、地下世界での探索を鍾馗が、みたいな印象を受けたのだが、

実際には現実世界に探偵も鍾馗も蝶何某も同時に存在している。鍾馗は駆魔師としては優秀らしいが、「じゃあ殺してしまおう」となるのを探偵が「いやいやまず調べてからだ」みたいな関係で分業するらしい。


・パーティメンバー

 様々な事情で参加する登場人物達がいる。

 名前の一部が判明しているのは現在一人だけ。


 口を覆った軽装の「蝶?」(蝶で終わりなのか、蝶何某なのか不明)

 京劇らしき化粧と扮装の「女性」(2021年4月のティーザーで出た時とかなり異なるが)

 ハンチングにC96二丁を持った「鬼?」(蝶?と同じく、?部分は不明)

 みうらじゅんみたいな髪型にロングコートの「男性」 (間違い。髪じゃ無かった。上の男性と同一のようだ)


・探索

 主に探偵が行う。足で情報を得て、様々な任務を引き受ける。新しいパーティメンバーとの出会いもあるらしい。


・ダンジョン

 異常空間には2種類あり、ストーリーでアンロック(及びロック)されるダンジョンと、ランダムに開くダンジョンがあるらしい。

 戦闘時、パーティは全員で一つのHPを持ち、能力やスキルは個々人が持つ。パーティの最大人数は4人。


・キャラクターカスタマイズ

 ダンジョン等で手に入る。装備にはそれぞれ属性がありその組み合わせでボーナスが発生するらしい。

 タレント(スキルツリー)は陰陽がある。ツリーがわかれているのか、その辺は不明。Diablo2とか旧World of Warcraftに似た構成だ。


・舞台

 1930年代の近代化された旧上海(これを新都と呼ぶ)。(この設定消えました。)

 海外版で使用されているMatoは恐らく村松梢風が小説で使用した「魔都」から名付けられている。

 …のだが、海外版でこの設定はどうやら変えられたのか、Telosmaという国のMatoと言う街である。

 Telosmaは学名は夜来香属と呼ばれるそうだが、通称は…という訳で相変わらず凄いビーンボールだ(笑)

 海外のPressでもポストアポカリプスという表現があるので私が知っている頃と現在の設定にどれだけ乖離があるのか不明。

 なので、オリジナルの中国語版とその他海外版に大きな設定の違いがある可能性が現在高い。(現状全く不明になりました。)


・つまり…?

 オリジナル版は1930年代の魔都(をファンタジー及びサイバーパンク化した)を舞台にしたJRPG。(この設定消えました。)

 

 海外版はポストアポカリプス後に作られたTelosma国にあるMatoを舞台にしたJRPG。


・同じじゃないの?

 (この項、全文削除となりました。) 


・パブリッシャー

 中国ではYooreka Studio(Tencent)

 中国以外の国ではPrime Matter(Koch Media)

 但し、中国では現在国新出审(出版コードのような物。これが無いと中国国内で販売できない)を取れていない。早くても8月頃だろう。

2022年7月2日土曜日

Cyber Manhunt

企業ハッカーとして人肉検索を行うゲーム。

一部のパズルが異常に難しい。


中国のAluba Studioが開発した、ストーリーパズルゲームでプレイヤー(名前は最初にアカウントを作る際に入力する)はTitan社のCIOから真相を探るよう簡単な情報を渡される。


名前をサーチエンジンで検索し、Toothbookで本人の投稿から情報を得たり、Titan社のDBで検索して個人情報を完成させ、よりクリティカルな情報(電子メールやメッセンジャーのパスワードとか)を入手してゆく。


検索エンジン、電子メール、メッセンジャー、電話、Titan社DB、Titan社クラックツール、フィッシング(相手の携帯のルート権限を得る)、等を駆使して人間関係を探り出し、真相に迫る…というゲーム。


Orwellに似てるとか想像されるかも知れないが、流石人肉検索の本場、やり口も進め方も生々しい…。「事件が解決出来ました!」みたいな展開はまずなく、「…事件は一応の解決をみました…」的すっきりしない展開が続くので、好みが分かれる所なんだろうか。とは言ってもこういう盗聴とか普通にアリな内容でスッキリする作りなのもそれはそれで問題だろうしね。


話が進む毎にゲームの難易度はとんでもなく上昇していく。最後の方は時間制限との戦いになる。私としてはこれは勘弁して欲しかった。まぁ救済策はあるので全くクリア不可能という事も無いのだが、ともかく難しい。Secret Worldを思い出すぐらい難しい。知識を求められない分アレよりは簡単なんだろうけど…。


後半の余りの難しさにDLCは結局購入しなかった。興味深い内容だとは思うのだが、本編の余りの難度の高さに挑戦する勇気はなかった。


Metal Max Xeno Reborn

 Steam版が発売されたので買ってプレイ。

悪く書かれている事はほぼ全て事実。

だからと言って楽しく無い訳では無いという不思議。

元であるMetal Max Xenoのシステムとかを一新して別物にして、(あれだけ削ったXenoから更に)色々削りに削った作品。

若干Metal Max「らしさ」を取り戻した代わりに、調整の欠片も見つからないシステムの数々。

破綻したスキルシステムとかそこら中が破綻した作品なのだが、8bit時代に見られたアイデアは満載で企画はスタートしたが、実装できたのは2割みたいな「魅力の一端」は伝わって来る、95%ぐらいの人が脱落する作りになっている。


シリーズ従来通りの攻撃>回復のシステムなので、全滅する前にどれだけ一気にダメージを積み上げるか、みたいなリスクの低い(何故低いのか?それはサバイバルモードを除けば全滅のペナルティが無いから)勝負をする。敵のHPがわからないので、色々やるのに意味を見出しづらいというのもその傾向を助長している。


やり込む人だと、ノーマルは1日で終わるらしいので(まぁ私ですら3日だったぐらいで。しかも間違ってラスボス戦に入った結果終わった)ボリュームは信じられない程無い。マップはほぼXenoと一緒。ファストトラベルのロケーションは増えたので、移動自体は楽だ。何故か瞬時に移動出来るシステムなのに、現在位置を知る手段は無い。


前作であった、1台に複数人乗るシステムが消滅してしまったので、荒野を彷徨う感じは減った。代わりに新しい戦闘システム用にボス戦用車体、雑魚戦用車体などを準備する楽しみはある。前作より良くなった点としては(これは好みが分かれる部分らしいのだが)戦車っぽくなった。今までは戦車の形をした戦闘マシン(ロボット物の有人ロボットみたいな)だったのがちゃんと砲塔を動かしたり、超信地旋回が可能になった。…これが面白さに寄与してるのかと言うと難しいが、無限軌道なのにガレキ一つ乗り越えられないという30年前ぐらいの挙動は批判の的になったようだ。そりゃそうだよな。Unityなんだからその辺何とかなりそうなもんだと思うのだが。


バグは既にコンソールで出て幾らか消えているらしいが、Steam版でも前からあるのか、新たに増えたのか、健在だ。

一番キツイのは戦闘が終わらない(メニューも開けない)奴だった。全滅したら(あるいはアイアンベースに戻ったら)解消される。

他にも細かいバグは大小結構残ってる。


文句を言おうとすれば、それこそ幾らでも書ける(属性関係のバグだか仕様だかわからない所とか)、シナリオは前作でも序盤以降はほとんど読んでいなかった。RPGに限らないが、私は元からストーリーには大して興味が無く、ストーリーを読むかどうかはキャラクターに興味を持てるかどうか、なんだと思う。このゲームは(前作もそうだが)キャラクターにも興味が持てないし、その結果としてストーリーにも興味を持っていない。でもまぁウロウロしてアイテムを探して一憂するのは楽しい。MMORPGを人に気兼ねなく一人で遊んでいるような気分になる。多分前作もそんな事を考えながら遊んでいたのだと思う。


Metal Max 4と比べるとしたら、比べるまでも無い。4は(チュートリアルさえ越えて自分でパーティ組むようにさえなれれば)本当に傑作ゲームだった。Rebornは佳作にさえなれない、佳作と駄作なら駄作に限りなく近いと思う。でも遊んでいたら楽しい。今年遊んだRPGの中では結構楽しんでいる。


大昔、私はゲームの出来は面白さに直結するのか?という疑問があった。結論が出たのが1990年半ばぐらいだったと思うのだが、私の出した答えは「ゲームの出来と面白さはイコールでは無い」という物だった。もちろん出来が良い作品が詰まらない訳ではなく、出来の悪い作品が必ず面白い訳では無い。ただ、出来の良い作品というのは遊んでいて息苦しく感じる事が多い。(そして出来の悪いゲームは単にぶん投げる事が多い。)


その理由は出来を向上させた結果、作品そのものが丸くなってしまい、遊んでいてもやらされている感が強いと感じるからだ。例えばRPGの戦闘を考えてみよう、普通のRPGならプレイヤーの戦闘準備の効率って2倍ぐらい(5倍を越えるのは稀じゃないだろうか)で、武器の攻撃力が220から数時間努力して224みたいな上昇とかになる。この辺に面白さを見出す人もいるのだろうが、私はそこに徒労しか感じない。Rebornでは(Xenoもそうだったが)割と簡単に5倍を突破する。上は私の知らない世界なので、後はプレイヤーがどこで妥協するか、しないかのレベルなんだろう。


「ゲームのデザインは雑であるべき」とは言わないが全てのゲームが「出来とお行儀の良いデザイン」である必要は無いと思う。少なくとも私が遊んでいて面白いと感じるのはどちらかと言うと雑なデザインの方だ。これはプレイヤーの行動に対してレスポンスが得られやすい(もちろん全然得られない終末的デザインも数多く存在する)からなんだと思う。


ゲームの何が面白いのかは人それぞれ違う。当たり前だ。このゲームはデザインが雑である事によって結果的に(多分意図せずに)プレイヤー側の裁量が極端にデカくなってる。大半の人にはそれはアピールしないだろう。だから酷評の嵐なのも当然と言えば当然だ。ただ、私はこのゲームが一般的JRPG的に出来の良い状態になっていて、良いストーリーを持っていたとしよう、多分「詰まらんな」と感じていたと思う。