2015年9月8日火曜日

Renowned Explorers: International Society



オランダのAbbey Gamesによる19世紀の探検物ゲーム。前に作った作品はReusというGodゲームで、Steam上にReusがあると25%オフで購入できるキャンペーンをやっている。

この感想は9/4パッチ時点で書いている。現在パッチが進行中なのでこの先どうなるかは不明。

カラフルでカジュアルっぽい見た目とは逆に難易度はかなり高め。ボードゲーム風の作りになっており、一人のリーダーと二人を選んで3人で探検隊を組む。リーダーに選んだキャラクターはリーダー能力が付与される。最初、星印の付いているキャラクターしかリーダーに選べないが、条件を達成すると次回ゲームよりリーダーに選べる(カーソルを合わせると条件がわかる。基本的には探検隊に組み込んで複数回探検すると選択可能になる)数回の探索で1キャンペーンが終わるため、1回のプレイ時間は少なめ。

多彩なキャラクターと美しいグラフィック。戦闘以外はFTLを知っているならアレの探検隊バージョンと思ってもらって間違い無い。ただ、FTLと違って行先で何が起こるのかは事前に知ることができるため、ランダム要素は大きいもののFTL程運任せという気はしない。

戦闘は特殊で「結局武力解決が一番」にはなっていない。攻撃には3つのジャンルがあり、友好的、計略的、攻撃的に分かれる。攻撃的な行動には直接武器でダメージを与える以外にも嘲ったりする事が可能。精神力が0になったキャラクターは戦闘不能になる(敵の場合、戦闘区域外に退場する)。友好的に相手を感動させて…や、計略的に相手を絶望させて…などと言った手段も可能でとりあえず精神力を削り合うこととなる。攻撃前に事前にどの程度の精神力ダメージを与えられるかがわかりやすい。

こちらの攻撃のジャンル選択により、場の雰囲気が変化する。雰囲気はダメージに影響するため結構重要だが、出力の高いダメージと必ずしも一致しないので結構悩む。探検隊の構成によっては戦闘結果のボーナスにも影響するので、戦闘に「如何に勝つ」のかはもちろん最重要だが、「どうやって勝つか」もかなり重要だ。キャラクターを選ぶ時にも注意事項にあるが探検隊の組み合わせは非常に重要だ。キャラクター選択時に「誰々と組ませるのがオススメ」と書いてあるので最初はそれで体験してから別な組み合わせを見つけるのが良いのかも。

各キャンペーンの最後にはボス戦があるのだが、調整が難航しているらしい。
何が問題かと言うとボス戦ではボスだけ倒せばクリアになるのだが、ボスがかなり硬い事と、最初からこちらの2倍ぐらいの取り巻きがいること。数ターン毎に増援が来る事で、長期戦では不利になる一方だ。
また、精神力が0になったキャラクターは他のキャラクターが精神力の75%まで回復させる事が可能なのだが、誰かが精神力が0になった時点でResolveという数値が一つ減る。Resolveが0になったらゲームオーバーとなる(最初からやりなおすか、戦闘を再開する)。最初のResolveは2だからキャラクターが2回倒れたら終わりだ。また、ボスに勝つには3人の攻撃で2ターンは掛かるので一人が倒れると、勝つのはかなり厳しくなる。この辺もあって、多彩なキャラクター達とは裏腹に組み合わせにあまり自由を感じない。開発陣がどうやって解決するのか注目している。
☆のキャラクターがリーダーになれる。
ロシア人のアンナとカナダ人のイボンヌ



…の笑顔(何かを企んでいる訳ではない…らしい)
ボス戦と後半の戦闘以外は楽しい。せめてExplorerモードではもうちょっと戦闘が簡単になって欲しい。
SteamGOGで購入可能。Steamで買う方が安い。

2015年9月6日日曜日

Lords of Xulima


Lords of Xulima - Official Trailer

スペインに本拠地があるNumantian Games(独立系開発会社)によるUltimaやMight&Magicの魅力に現代的なUIや革新的機能を組み込んだ作品(と自社紹介に書いてある)を目指したゲームがLords of Xulimaだ。Xulimaはシュリーマと呼ぶらしい。

6人パーティのRPGだが前列3人、後列3人以外の配置(但し、前列が居ないと後列は前に押し出されるため最低でも前列は3人必要になる)も可能で、8マスのキャラクターマスにキャラクターを配置するだけではなく、近接攻撃、アイテムなども使用範囲に制限があるため誰をどこに置くのか悩む。また、前列が居れば後列は安心…ということもなく全員攻撃、縦列、横隊の貫通攻撃があるため後列もそれなりの装備を準備しておかないと、一瞬でパーティが半壊する。ちなみに召喚魔法でも1マス使用する。

独立系なので潤沢なリソースがある訳ではないからか、ゲーム全体のウェイトは戦闘6、探索3、ストーリー(会話含む)1みたいな配分でゲーム中に悩むのは戦闘とスキルビルドだった。ワンダリングモンスターに制限があり、エリアで出現するモンスターの数は限られているため通常のRPGのようにレベルを上げて対策…という手段は取りづらい。特に序盤はカレイジアスペルセウスとか水龍士(PC88の方)の悪夢が蘇るようなハードさ。中盤を越えた辺りからプレイヤーが慣れた事もあって戦闘は楽になるが、人によっては最大のピンチである「パーティを再作成したい」欲求との戦いが始まる。実際私は2つ目のパーティでクリアした。ワンダリングの頻度はかなり低いが戦闘で得られる経験値はそれなりに高いので本家Might&Magicに比べれば作業感は低い。

また、このゲーム独自の要素としてDoT(Damage over Time。継続してダメージを与える攻撃)が累積する部分がある。10点の出血ダメージにさらに10点の出血ダメージを受けた場合20点の出血ダメージとなる。魔法かアイテムで回復しない限り、後半の戦闘では直接与えるダメージよりDoTを如何に積むか?が重要になる。そのため特定、あるいは全部のDoTが効かないモンスターは手強い。ただ、後半になるとほとんどの敵が耐性を持ってる、という事もなく難易度は高いもののバランスは良い。

武器により付随する状態が異なるのも特長の一つだ。剣は出血ダメージを伴う。斧(長柄を含む)は怪我、鎚は気絶、と特長がある。トータル的に剣が最もダメージ出力が高そうだが、怪我による弱対、数秒間の効果を持つ気絶も戦闘では重要だ。怪我も累積するため、強力なモンスターの場合かなり効果がある(そのためボスなどは強力な怪我回復スペルを持っている。ただし使用頻度は非常に低い)。気絶は数秒しか効果を持たないが気絶しているモンスターは回避ができず、戦闘の序列も下になる。数秒の遅れの間に他のパーティメンバーが攻撃して…という事が可能な訳だ。武器による効果が違う事により装備に彩りが出るのはこの作品の良い部分だと思う。例えばロングソードに比べショートソードはダメージで劣るが当てやすいとか等の特長がある。2Hではペナルティ(攻撃速度に劣る。楯が持てない)があるものの、高い攻撃力、より強力な状態効果があるので、パーティ全体の防御力を維持しつつ、誰に2Hを持たせるかは結構重要だ。

独立系で見られる過去の作品の彩りのない模倣とか、単なるノスタルジーの押し付けにならず独自のデザインについては一見の価値があった。ストーリーテリングに関しては問題点が多いとはいえ、戦闘に関してはかなり遊びごたえのある内容だ。戦闘が悲惨でストーリーテリングが素晴らしいよりはこちらの方が私にとっては望ましい。
正直に言えば私はもう少し戦闘の難易度は低い方が良かったが、戦闘システムは遊んでよかったと思わせてくれるものだった。