2013年1月6日日曜日

ビル・ウィリアムスとその脳みそ

私の場合、凄いデザイナーというのは思いつくだけでも何人もいる。トップを選べ、と言われたら一瞬考えたから「若い頃のシド・マイヤー」だと答えると思う。

では、一番変なデザイナーは?と聞かれたら、これは考えるまでもない。ビル・ウィリアムスだ。

彼の名前を一躍有名にしたのはMind Walker(1986)というソフトでゲーム概略が凄い。

「狂った教授の脳にアクセスし、正気の破片を探し出す」

今なら0.1秒で却下されそうな企画だが、問題は無い。何故か?何故なら彼が一人で作ってるからだ。

Mind Walker(1986)
動画をアップロードした人は相当な労力を払って説明しようと試みているが、大半の人には「なんだこりゃ?」でしか無い。どの本か忘れたが、クーロン黒沢曰く、「冥王星で一人で作ってるようなゲーム」これが一番わかりやすい説明だと思う…多分。源氏物語が今でも研究されているように、Mind Walkerも800年ぐらい研究対象になりそうだ。

その後、Cinemaware社のゲームで音楽関係でDefender of the Crown(1986)、The King of Chicago(1987)を担当した。
Sinbad and the Throne of the Falcon(1987)
今見ると凄い変わったグラフィックに感じるかもしれないが、当時だって相当アバンギャルドなグラフィックだった…ゲーム内容は彼にしては結構まとも(で特に面白くもない)だったのだが、あまりに強烈なグラフィックで一度見たら忘れられない作品ではある。(後は妙な山登りシーン)

そしてKnights of the Crystallion(1990)が発表された。(残念ながら現在のYouTubeには1秒ぐらいの映像しか存在しない)
Array Cat(1983)
序盤に彼が手がけた作品が映される。動画の作品も彼が手がけた作品だ。

Knights of the Crystallionの背景世界はこんな感じだ。
「古代の巨大生物オラドリッド(プレシオサウルスに似ている)が息絶え、その骨に人々が住み始めた。オラドリッドの頭部はツィミットと呼ばれ、その中にはクリスタルの卵があるという。そのクリスタルから生まれた馬は人智を超えた美しさと賢さを持ち、手に入れた物を支配者とするだろう」
クリスタルの卵から馬?とか意味不明な部分もあるが、おそらくビル・ウィリアムスには何か理由があるのだろう。ひょっとしたら単に自分で作ったレイトレースエンジンのテストだったのかも知れないが…。

ゲーム内容は一族の維持、二人で行う陣取りゲーム(ダイヤモンドゲームのような?)、2つのミニゲーム(途中でカードの位置が動く神経衰弱と磁石?のような物を使ってエナジーを蓄積する謎のゲーム)とこの作品のメインパートであるツィミットの探索だ。

ツィミットは迷路になっている。多分、ファミリーコンピュータ版夢幻戦士ヴァリスより難解なのでは無いだろうか。何せ2画面も移動すると地図が続いていない。説明が難しいが相互に一方通行のような地図になっており、おそろしくややこしい。なんとか迷路を進むと、挑戦者の知恵を試すため、前述のゲームで勝負したり、ポエムの答を求められたりする。

当時見せた人はほとんどがこう言った。「なんですか?これ」
私にもわからない。ひょっとしたらビル・ウィリアムスは普通のゲームを作ろうとしていたのかも知れない。我々にはそう見えないだけで。

Future Wars

Future Wars: Adventures in Time(1989)
ゲームの映像は日々進化している。そんな映像の中でも特に印象に残っているタイトルというのは存在する物で、私にとってその内の一本がFuture Warsだ。
グラフィックを担当したのはAnother World(日本ではアウターワールド)で知られているEric Chahi。
Another World(1991)
Another Worldで驚いたのは「普通に遊べる!フランスのゲームなのに!」という事だった。私の当時のフランスから発売されるゲームの印象はグラフィックが素晴らしく美しい事、糞難しい事、マニュアルに何も書いていない事。だった。

つまりFuture WarsはAnother Worldは前作であるため、その全てを兼ね備えている訳だ。例えば森でコインが地面に落ちるのを発見して拾おうとする。グラフィックが美しく写実的…なのは良いのだがまずどこにあるのかわからない。200カウントのマウス(インターネットの情報によると、マウスは200カウントだが、ソフトウェア上は100カウント…らしい…そら無理だわ)だと、カーソルを対象に合わせてクリック…の時点でずれる可能性が高く、わかっていても中々上手くいかない。で、やっと選べたら次にプルダウンメニューを表示して拾おうとすると…またずれる。当時、結局コインを手に入れるのに20分ぐらい掛かった。

20分というのは当時のゲームに必要な時間からするとそれほど長い訳ではないが、簡単なただ地面に落ちているコインを拾うだけで20分はきつかった。まだコインを拾うのは時間制限が無いから良いが、序盤の終わりから時間制限のある行動が増えていくためどんどん辛くなってゆく。ちなみに行動に失敗すると即ゲームオーバーが多くてYouTubeの動画の方はあっさりとクリアしているが、1ドットずれたら死亡とか、知らないと絶対間に合わない部分がある。

ゲームにおいてグラフィックは重要ではない。という方々がいるが、私はゲームにおいてグラフィックは重要だと思う。現在では購入前に動いている画面を見ることが出来るが、当時は雑誌の小さな画面写真ぐらいしか見ることは出来なかった訳で、尚更重要だったと思う。最もそれから読者は妄想する訳で実際買ってみたらそうでも無かった…まぁそういうのは今でもあるか。

日本ではPC98に移植された。他にもあるのかも知れないが、(調べたらX68000版も出てたそうだ)解像度の関係からか、IBM-PC版を元に移植が行われた。パッケージは靴とペンキ版(ヨーロッパ版=オリジナル版)と、昇天版(アメリカ版)があるが、日本では昇天版が使われていたと思う。これに限らないが、アメリカ版のパッケージって案が10個あったらその中から一番酷いのを選んでるんじゃ…というのが多い気がする。

原題は”Les Voyageurs du Temps: La Menace”Google翻訳によると、タイムトラベラー:メナス…は?いや、原語だとまた違うのかも知れないが…メ、メナスですか…こればっかりは英語版の方が趣があっていいね。

2013年1月3日木曜日

Wings

(2013/11/11) Kickstarterに再度登場した。
Wings: Remastered Edition (Kickstarter)達成額は大幅に下がったのでなんとかなりそうだ。$250,000でドイツキャンペーンか…オリジナル版も遊べるらしい。元はAmiga版なのでエミュレータなのだろうか?

Cinemaware社から1990年に発売された作品。
第一次大戦を1916年~1918年の終戦までイギリス陸軍第56飛行隊として任務を行うゲーム。特徴的なのはプレイヤーのキャラクターが戦死しようが強制除隊されようが、新たなキャラクターを登録して戦争を続ける点。
このゲームにはキャラクターの成長要素があるため死なない方が良いのだが、1対12みたいな空戦もあるので死なずに進めるのはかなり難しい。

最悪、死にそうになったら不時着して逃げる事も可能。但し3回ぐらい不時着して機体を失うと強制除隊(歩兵への転属)が待っている。三人称視点での空戦がメインだが、縦スクロールの爆撃、斜めスクロールの機銃掃射等のシーンもある。どちらかというと、シミュレータというよりはアクションゲーム寄りな内容だ。自機は最初から最後までソッピースキャメルだし、ドイツ帝国はタウベ、アルバトロスD.III、フォッカーDr.Iへと変化するが考証よりもイメージを優先した結果だと思われる。

空戦が長引きすぎると日が暮れてしまう。完全に日が暮れてしまうと自動的に墜落扱いで死亡するため、生き残るためには不時着を行う必要がある。前述の通り機体を失い過ぎると除隊させられてしまうため、空戦が激しさを増す後半は戦死と除隊の可能性が増えてゆく。

特徴的なのは空戦中のメッセージがサイレント映画風になっていて装飾の施された黒い画面に状況の説明が行われる。例えば奇襲を仕掛けたはずが実際には敵の主力部隊の真っ只中だったり、機銃の装弾不良(時間で修理可能)等だったりする。尚、装弾不良の発生はスキルが上がる事で修理に要する時間が減少する。

音楽はゲーム内容と時代にあった物が揃っており、完成度が高い。
Cinemaware社の作品は発売された当初からグラフィックの美しさで知られていたが、ゲーム内容はあまり評判が良くなかった。ただ、Wings前後のゲーム内容も優れた物が多かったと思う。

続編が何故かSNESで発売され、日本でも売っていた。購入したものの、特筆すべき点は特に無い。オリジナル版の要素は空戦と成長要素のみが入っており、ミッションの多彩さも時代の雰囲気も無い。航空隊の日誌で語れれる牧歌的なエピソードや日々、戦死や配属で変化してゆく飛行士のリストも無い。

Kickstarterでディレクターズカット版の話があったものの、残念ながら目標額を達成できなかった。北米ではマイナーな機種でしか発売されていないのが原因なのか、空戦物に興味が持たれなかったのか、第一次大戦物だったのかはわからない。

第一次大戦については下記のサイトで物凄い詳しく解説されている。

第1次大戦(現在、403のため、リンクはInternet Archive)

2013年1月2日水曜日

2012年ベスト&ワースト

ベスト&ワーストは私が単にその年遊んだゲームから選ぶ代物で発売年等は一切考慮しない。

2012年ベストゲーム
Diablo III
恐らく2012年のほとんどのGame of the yearでノミネート行くか行かないかぐらいの評価しか受けないであろうDiablo III。実際悪く言われている部分はほとんど真実だと思う。それでもこのゲームをベストゲームに選ぶのは敵の大群を殺害しながら突破してゆく快感が他のゲームでは得られないからだ。悪い部分に解して、今後のパッチや拡張パック等で改善が進む事を望む。

2012年ベストアクションゲーム
Batman Arkham Asylum
前のPCでは重かったため、新しいPCになってから本格的に遊んでみた。アクション、グラフィック、ボイスワーク、そのどれもが素晴らしいアクションゲームの傑作。特に敵の攻撃を受け流し、テンポ良く様々な技を駆使して敵をノックアウトするバットマンの格好良さに痺れた。ヒーローアクション物をデザイン際のマイルストーンになったことは間違い無いだろう。

2012年ベストストラテジーゲーム
Europa Universalis III Divine Wind
毎年、Hearts of Iron II関連か、EU関連を選んでいるが今年はこれを。小国の生き残り、隆盛を極めた大国がボロボロになってゆく時、遊牧民の絶え間ない侵略等、様々な歴史的イベントを上手にゲームデザインに取り入れていると思う。また、緩衝国がどれぐらい重要かを学ぶ教材としても非常に優れていると思う。2013年Q3にはIVが出る事になっている。楽しみだ。

2012年ベストアドベンチャーゲーム
アマガミ
2009年にも選んでいるが、遊ぶ機会があり今年も遊んだ。このゲームには酷い選択肢がまぁ…そこそこある。2009年当時はある程度マップを埋めようとしてたのと、選択結果の影響を知らなかった事もあって出来たのだろうが、今やると全く選べない自分に苦笑いしながら遊んでいる。

2012年ベストロールプレイングゲーム
Fallout New Vegas
Fallout3の評判に比べると賛否両論…まぁ…その…否の方が多いのだが特に批判を浴びたのがストーリー。FalloutとしてはむしろNew Vegasの方がスタンダードなのだが、Fallout3の親父探しの方が受けてしまった。バグが多かろうが、善人にも悪人にもなる必要のないモハビ砂漠は私にとって居心地の良いWastelandだった。

2012年ベストドライビングゲーム
Dirt2
2010年にも選んでいる。圧倒的なリプレイ映像の上手さ、曲選択センス、集中力の無い私でも楽しめるレースの短さ、ドライバー視点の臨場感と面白さ等、恐ろしく完成度の高い一品。私は普通のゲームだと車がどれだけボロボロになろうがほとんど気にしないが、このゲームではかなり慎重に走っていると思う。リプレイが楽しみだからだ。

2012年ベストサウンドトラック
The Secret World
ゲームの内容に合った素晴らしい曲の数々。特にメインテーマ曲The Secret Worldが良い。ゲーム内の曲もゲームを良くサポートしており完成度の高いサウンドトラックだ。

2012年ワーストゲーム
RAGE
発売された時から悪評塗れだったが、レビューとか見ていて世界観とかが気にはなっていた。ゲームを遊んでからレビューを見ると「上手に映像選んでるなー」という気分になる。レストランでカレーを頼んだら冷めたレトルトだったという感じの絶句感を味わった。ここまで酷いという予想はしていなかった。

2012年ワーストドライビングゲーム
Need for Speed The Run
車のアンロックにはオンラインプレイが必須という糞デザインを極めた糞さ。しかもプレイヤーがいなくて大半のオンラインプレイが機能していないという八方塞がりさ。プレイヤーだけがレースをしていてCPUの車は車体の下に棒が付いているというヤラセ感。Frostbite2だからレンズの汚れまで一緒という既視感。オンラインのプレイヤーの大半がアンロックが目的なのかアクセルを踏みっぱなしでハンドルすら切らないという終末感。

2012年ワーストサウンドトラック 
Diablo III
一部の曲を除き、ほとんどが環境音で盛り上げようという意思が希薄だった。最後の方で申し訳なさそうに少しだけ盛り上げようとするのが更にイライラさせてくれる。「ぷわぁぁぁぁ~」博覧会。

2012年最もガッカリしたゲーム
Planetside2
私が期待し過ぎただけで、時代の流れを考えればこうなるのは仕方が無いのだろうが、戦争している感じは全く無くなったのが残念だった。流行りの「銃を持って走り回りながら好き勝手に殺しあうゲーム」だ。私は戦争している感じを味わいたかった。

2012年EA賞
EA
長年、良いゲームを発売してもそれを自社の力で破壊し続ける努力を怠らないEAの勤勉さを称えるために賞を新設した。また、IPを欲しいのはひょっとして破壊するために欲しいんじゃないのか?と言わんばかりのこわれたオンラインプレイや「我々に出来る事は何もありません」というサポート。嫌がらせのようなOriginクライアント。日本のOriginで買えないのに何故か日本のAmazonで買えるゲーム達。次はどの会社が犠牲になるのか知らないが、誰もEAを止められないだろう。

2012年最も恥知らずな続編賞
Mass Effect 3
Mass Effect 3は三部作となっており、2と3は話が繋がって…いない。2と3の間には大量のゲームとゲーム以外のコンテンツが挟まっている(Choke Pointの記事)。EAが悪いのか?Biowareが悪いのか?それはわからない。主人公が同じで話が続いていないというのはアリなのだろうか。そりゃあサイドストーリーがあっても構わない。でもメインストーリーが別の複数の媒体で?それともなにか?ゲームというレベルの低い媒体では全てを語れないとでも?いい加減にしてくれ。

2012年
こう見ると選んだゲームで2012年発売の物はDiablo IIIとThe Secret Wolrdだけだ。遊んだ時間の長さだと、Diablo III、EU3、アマガミ、 Fallout New Vegas、Batman Arkham Asylumという順番になると思う。作品をコントロールするのは難しい。特に予算が増えれば増えるほど難しくなるのだと思う。そんな中で良い作品が生まれたり洒落にならない作品が発売になったりするのは当然なのだろう。だからって腹が立たない訳ではない。じゃあインディーズなら?という意見もあるのだろうが、大作は大作だし、インディーズはインディーズだと思っている。大作はインディーズの替りにならないし、逆もそうだろう。どちらかが正しいなんていう事は無い。
2013年の期待作というと、BioShock Infinite、Dead Island: Riptide、EU4…これぐらいしか思い付かない。本音を言えば予想もつかない新作が現れて喜ばせて欲しい。ワクワクしたりガッカリしたりしたい。…いや、ガッカリは間に合ってるな…。

2012年12月29日土曜日

近年の邪魔にならないゲーム音楽

昔々、Chip音楽からPCM音源に移行するにつれ「ゲーム音楽の良さが失われている」という意見を良く聞いた。
私はChip音楽も好きだが、別にChip音源がPCM音源に勝っているとは思わない。Chip音源にはChip音源の良さがあるのだし、PCM音源でも良い曲は当時だって沢山あった。

今でもそれぞれの音源に良さがあると思う。
以下、別に代表的な曲ではなく私の好みで適当に選ぶ。

Atari800のM.u.l.e.(1983)

ファミリーコンピュータのアルマナの奇跡(1987)

PinballのBlack Knight2000(1989)

ArcadeのX-Men(1992)

PlaystationのRapid Racer(1997)

他にも山ほどあるがここ数年なんというか…環境音みたいな曲が多くなっていると思う。「ぷわぁぁぁぁ~」みたいな出だしで始まると高確率でそんな感じの曲で「またかよ…」という気分になる。

ゲームの曲はゲームを盛り上げるためにあるんじゃないのか?と思うのだが、近年の作曲者が質が落ちた。なんて言う話ではなく発注が「鳴っていても気にならない曲にしてください」という事らしい。理由があまりに酷くて正直心底腹が立つのだが、「オンラインで遊んでいる時に特に邪魔にならないように」という事なのだそうだ。

唖然とする理由だが、まぁそれだけオンラインの市場というのは大きいのだろう。Twitchとか見ていても90%ぐらいのプレイヤーはゲームの音を切って別な音楽を流したりしている。そういうプレイヤー達にはゲームの音楽というのは自分のオンラインプレイの邪魔でしか無いのだろう。

でもどうせ切られるのなら別にゲームを盛り上げてくれる曲にしたっていいのじゃないか?Alexander Brandonみたいに行き着いた先が環境音ならまぁ…仕方がないという気もするが「オンラインプレイヤーの邪魔にならないように」なんていうつまらねぇ理由で 「ぷわぁぁぁぁ~」を聞かされるのか?冗談じゃないぞ。
Diablo III - Act I - Fields of Misery

Wolf

1994年に発売になった狼サバイバルシミュレータ。Manley&Associatesという会社が制作した。同社は1996年にEAに買収されEA Seattleと名前が変わった。
「EAに買収され」の時点でネタバレだと思うが2002年に閉鎖されている。
Lionという続編が作られたそうだが、そちらは見たことは無い。

ゲームは任務達成モードとシミュレーションモードに分かれ、サバイバルを行う事となる。一匹狼でも群れのリーダーにもなれるため狼マニアの人には堪らない物があるらしい。私は動物に対する愛情がほとんど無いためその辺は理解できなかった。

狼の能力である嗅覚や聴覚を使い、水源を探したり、狩りの獲物を探したりしてステータスの維持を行うのがメイン。ハンターに見つかると高確率で射殺されて死ぬ。シミュレータであるため、負傷すると行動力が低下しさらに致命的な状況に陥る。死亡時は動画で実際の狼の死を見せられるため、後味はかなり悪い。

動物が主役のゲームで見られる擬人化的要素は名前を付けられるぐらいしか無く、面白いかは別にして本格的なシミュレータに仕上がっていると思う。CD版とFD版があり(私が持っているのはCD版)CD版は狼のマルチメディア辞典がついていた。

マルチメディア時代だから発売されたゲームなのかも知れないが、面白い着眼点だと思うし記憶に残るゲームだった。

アマガミ

2/2  ちょっとおまけ劇場リップシンクについて訂正
私はAdvでは必ずメッセージ速度を最速にするため気が付かなかったが、文字表示が「普通」の場合、リップシンクが行われる。


知ってる人には説明不要だろうし、知らない人には私が上手に説明できるとも思えないので、以下の記事が紹介記事としては秀逸だと思う。

“アマガミスト”が猛烈に語る『アマガミ(エビコレ+)』プレイインプレッション

所謂ギャルゲーなのだが、このゲームが他のギャルゲーと大きく違うのはフラグがヘクス地図(63x63)になっていてフラグの有効期間、排他性等が視認できるシステムになっているという事だ。
初めて見た時「うわぁ…作るの面倒だったろうな、これ」って感じだったが、恐らくデバッグは地獄だったと思われる。

タイムスライスのシステムとしてはelfの同級生(elfの、と付けてしまうのに時代の流れを感じる)が続編も含めて非常に優れていて、作るのがあまりに面倒なのかしょぼい模倣作以外存在しないという希少な存在となっており、「絶滅したのでは」とか思っていた所に突然出現したのがアマガミだった。

通常のフラグ管理+ルートシステムの場合、歴史の年表のように一方向に進むのが普通である。つまり「○○というイベントは6月27日に発生する」と言った感じに作られる。タイムスライスの場合は例えば「ローマ帝国はAD200年頃に滅ぶかも知れないし、あるいはAD2200年頃に滅ぶかも知れない」と言った感じにフラグの受容期間に幅が設けられる。例えば同級生2だと1時間ぐらいの受容期間しか無いフラグから、2週間にも及ぶ受容期間が設けられているフラグもある。実際には何箇所かに収束ポイントを設けてある程度の整理を行うため、混沌とした状態には通常ならない。ただ、作るのは恐ろしく面倒なのが特徴だ。(デバッグは更に地獄)

所でタイムスライスのシステムを実装する際に一番大変なのはフラグを組み立てる事では無い。Advゲームを作る際、特にシナリオで一番やっかいなのは情報の管理である。更にライターが複数になると増えるとやっかいでキャラクター設定から読み取りすぎる人、あるいは全く読み取れない人が出てきてしまう。この辺を機械的、アプリケーション的に処理できるような仕組みは多分存在しないので概ね誰かが統括して辻褄をあわせなければならない。考えただけでも胃が痛くなりそうだ。

最も、じゃあ一人で書いたらいいのか?というと物理的に困難なケース(ライターを擦り切れさせてしまったりとか)もあるがゲームとしては複数で書いた方がアクセントとなって良いケースが多いように思われる。出来れば2人より3人であるとか。2人だとくっきり分かれ過ぎる様に思う。シリアスが得意な人もいるし、軽いのが得意な人もいるだろう。

…脱線したので話を戻す。これだけややこしいシステムなので開発は当然のように難航した。この辺は公式攻略本とアマガミ応援本を読むとよく分かる。

どれぐらい難航だったのかと言うと「もう少し遅れたら七咲はカットだった」という状態だったのだそうだ。もちろん当初の予定を全て実装できたという訳ではなく、カットした要素も沢山あるらしく(この辺も前述の本で触れられている)データ的には残っている物もあるらしい。商業のゲームは無限に開発時間を取れる訳ではない(発表から15年間続いたDNFが異常な例)。特にコンソールの場合発売した段階が完成版な訳で、その辺を実装した物を見てみたかった気もするが現時点ではとても完成度が高いゲームだと思う。

エビコレ+版の方がバグの修正が行われており、若干の追加要素がある。パッケージはオリジナル版の方が良かった気がするが、新しいパッケージの謎は追加要素でわかる。PSP版も出ているのだそうだが、違いは解像度だそうで、PS2版より若干縦が短いらしい。PS2を持っているのであれば、PS2版の方が良さそうだ。

音楽は季節が冬な事もあって静かな曲が多い。曲数はかなり多いが、ゲームに良く合った曲だと思う。ゲームには残念ながら音楽モードが無い。コンフィグでFM音源版にも切り替える事が可能。また、声を8ビット時代Advで使われたセリフ効果音版を実装している。
PC8801SRのバーニングポイント
台詞部分の「ぽぽぽぽぺぽぱぽ」みたいな効果音を指す。

PCでアマガミちょっとおまけ劇場というファンディスクが出ている。
元々、Tech Gianという雑誌の付録だったらしく、EX1からEX6まである。また、GSというエビコレ+版の追加エピソードの後日談が存在する。

EX1からEX6まで全部買うとかなり高価だが、EX5とEX6の残りエピソードのアンロックには全エピソードが必要というのがちと高い。元は\1,500円なのでこれでも安くはなっている。でも全部入りで少し安く出して貰った方が買いやすいような気がする。各キャラ1枚の描きおろしイベント画像がある。また、若干の立ち絵の追加がある。ストーリーはどちらかというとシリアス寄りな物が多く、(本編以上に)考証は抜けが多い。とはいえ、世界観の範囲には収まっているため、問題という程でも無い。ゲームエンジンは吉里吉里が使われており、システムはあまり使いやすくは無い。ただ、全部通しても数時間程度で終わるので問題無いと思う。本編は全てリップシンクしていたが、EXは会話開始の一瞬しか口が動かない。(PC9821版ポリスノーツのリップシンクバグを思い出す)最初違和感を感じるが、すぐに慣れると思う。

背景はごくわずかな例外を除き、本編を流用しているが、解像度が高いため、背景を見るのが好きな人には楽しめると思う(1月に入っているのにクリスマスセール12/1~12/31という表記が見えたりして)。また、解像度が高いため、立ち絵も精細で、本編だと解りづらい立ち絵のディテール(特に森島の旋盤で金属加工した時に出る削りかすのような美しい髪…こう書くと褒めてるように見えないかも知れないが褒めています)がよく見えるので「すげぇな…これ」と感心できる。

GSはDMM.comで販売している
エビコレ+版の麻雀エピソードから続く話(起動時に警告が出る)なのでその後に遊んでいないと駄目だ。話はEXに比べるとかなり長い。麻雀のおまけエピソードの続きなので主役はあの人。私はAdvにおける視点切替は最小限にして欲しい方なので正直面白くは無かった。好みがわかれる作品だと思う。