2015年11月27日金曜日

Fallout 4 50時間経過

ネタバレがあると思います。多分。

Fallout 4 Angry Reviewが公開された。

PC Gamerの記事が良く出来ている。タイトルは「Fallout 4: good game, bad RPG」。

私はいつものように頭の整理をするために思いつくまま書く。
先に言っておきますが、つまらんゲームを50時間も遊びませんのでゲームとしては楽しんでいます。でもPC版限定の話で、コンソールだったら10時間行く前にぶん投げただろう。

完全なFPS化

何故FPS化したのか?というとBethesdaは元々技術的にはパッとしない会社だった。DOS時代はまぁ本当に酷かった。遊べるようになったのは本当にMorrowind辺りからだ。ただ、実現できるかは別にして自分たちのやりたい事をやって生き残ったというのは優れた会社の証拠なのだろう。実際技術的に素晴らしい、デザイン的に素晴らしいゲームを作る会社はいくつもあったが消えていった(何割かはEAが潰した)
idを買った事でようやく技術的な部分も強化されて「やりたい事を実現」できるようになった。それが今回のDestiny化というやつだ。結果…まぁFPSとしては良く出来ているのかも知れないが、なんというかDestinyというよりは…RAGEになった。

RAGE(2011) - Official Release Date Trailer

FPSとしてよく出来ているのかも知れないが、FPSとして面白く無い。AIはRAGEの劣化版でDoom直系のプレイだ。粗が目立たないのが長所だと思う。FPSではなく、戦闘として見れば3やVegasの方が上だ。FPS化した事でAIを悪用すれば簡単に戦える。どういう事かというと、idのAIは大きく分けて2種類しかいない。その場で隠れながら撃ってくる奴と突撃してくる奴だ。なのでパスを悪用して待ち構えて撃てば突撃してくる奴は簡単に皆殺しにできる。撃ってくる奴が複数いる場合は1vs1のアングルに移動して始末してゆくことになる。これではVATSで戦うのは相当にアホらしい。手間が掛かる割に効果が全然無いからだ。PC版ならともかく、コンソール版では3やVegasの感覚に至るまでには相当な数のPerkが必要になる。つまり序盤はFPSの壁を登るしか無い。難易度を下げれば良い?それはデザインとしてぶん投げ過ぎだと思う。

システムの陳腐化

スキル制からPerk制になった。シド・マイヤー曰く「プレイヤーが一度に決断しなければならない重要な決断は2か3以下にしなければならない」だそうだ。ToDoリストみたいな概念だ。レベルアップして…戦闘も強化したい、クラフトも強化したい、拠点の強化もしたい、Specialも上げたい…。まぁ序盤はレベルアップも早いのでまだいいが、段々レベルアップも遅くなり、レベル50になっても「アレも足りない、コレも足りない…」という状況だ。
3やVegasではキャラを組み立てていくにはポイントの割り振り、レベル2回に一回のPerkという選択だったが、4ではPerkにもランクがあるのでBethesdaの言う様にPerkの組み立てでよりプレイヤーは自分の望むままにキャラクタービルドが出来る…訳では無く実質は3やVegasで行けばレベルアップ毎に1/3ぐらいのスキルポイントだけ配分されている感覚だ。「誰でも全PerkをMaxまで上げられます!」それはみんなが望んだ話なのか?「You're SPECIAL!」じゃ無かったの?4のPerkシステムはYou're CRIPPLE!だ。いつになったら私のキャラクターはちゃんと活動できるようになるのか。レベル2000ぐらいか?

失われてはいけない要素

Bethesdaのゲームでは完全では無いにしてもプレイヤーが「あんな事をやってみたい…こんな事もやってみたい」を実現できるのが他のゲームとの間違い無い差別化された部分だったと思う。BethesdaのElder Scroll、Falloutのシリーズより優れた作品は他にもあるが、この要素だけは負ける事の無い物だった。主人公に声を付けるという決断は演出的にも商業的にも重要、というのは確かなのだろうが、馬鹿げた選択だったのは間違い無い。そこはプレイヤーから取り上げてはいけない要素だった。圧倒的に失われる物が大きい。自己を投影しようが、自分の理想の丈をぶち込もうが勝手だった物が「より演出的に改善された」?。それは既にFable IIIで結論が出た話だ。声を付けたら陳腐なシナリオでもプレイヤー感動する?「次回作のFalloutはフライトシミュレーターになります!」ぐらいのトンチキな決断だと思う。

Fallout世界のリブート

ユーモア要素はほとんど消滅した。無いわけでは無いが悪趣味スレスレのユーモアや笑っていいのかわからない、Fallout名物は残っていない。会話やクエストはボロボロになった。グールのグラフィックも大きく変化した。奴隷商人も居なくなった(…と思う)。Bethesdaが4で目指したのはFalloutシリーズのナンバリング4ではなく、Falloutリブートだ。現代向けに問題がありそうな要素を削り、現在のゲーム世界で大きな勢力を持つオンラインFPSプレイヤーにもアピールするようキャラクター要素をFPS系Perkに作り直し、Destiny(RAGE)化も果たした。彼らにアピールするのか?そんなの私は興味無いね。まぁ商売は商売だ。正しい決断だとは思う。でも3は生き残るかも知れない。Vegasも生き残るだろう。4は?4は…MOD次第だな。Bethesdaにしてみれば遊び場は提供したから後はMODで頑張れって事なのかも知れない。
ある程度4を遊んだらVegasに戻ると思う。MODが充実してきたら4にも戻るかも知れないが、それが無かったら4には戻ることはないだろう。シーズンパス?75%オフになったら買うよ。

Fallout 4を買うならPC版だ。日本語版も出るらしいし(私も買った事になっているらしい。とりあえず日本語パックで$30請求されないのだそうだ(Skyrimは30分ぐらい遊んで「こりゃアカン」って感じだったが4はどうなんだろう?)。FOV(画面の金魚鉢化対策)、コンソール使用不可(クエスト破綻対策)、読み込みも早くできない(PS4でSSDとかにしたら別か?)状態でコンソール版を選ぶのは難しいと思う。

ただ、まぁ…これだけ変更掛けるのは相当な度胸が必要だったのだろうと思う。リブートを試みるぐらいBethesdaにとってFalloutは大事な作品になったのだ。それを考え抜いた挙句にこの変更を決断したのだと思う。本家のFallout観はWastelandが引取のかも知れないし、他の作品でポストアポカリプス的なゲームは生き残り続けるだろう。新しいFallout Eraが始まったのだ。移住先もある。Vegasに戻る事もできる。もちろん4に残る事もできる。しばらくはボストンの旅を続ける事になるのだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿