2020年9月26日土曜日

寄居隅怪奇事件簿 Hermitage Strange Case Files

(2021/2/23追記)

クリアして、バッドエンド以外は全文読んだ(掲示板も含めて)。掲示板は途中から意味がほとんど無い(記事は増えるが、ゲームに影響しなくなる)とか、荒削りな部分も多いが大変面白かった。

最初全く理解出来なかった、掲示板の投稿
肝廃棄とはグランブルーファンタジーの隠語らしい

という訳で英語読めるなら英語版でいいと思います。仮に日本語版が出るとしても英語版からだと、スポイルのスポイルなので、どうかね?とは思う。理想は中文版から訳が出る事だと思うが、量も多いからなぁ。Textractorとかで中文版を読むほうが私としてはお勧めです。

(以下愚痴)

英語版は製品版では直るのかも知れないが、「○○遺跡」の訳が「The Trail of The Missing ○○」だったのはしばらく悩んだ。かなり経ってようやく、遺跡が「遺(Missing)」と「跡(Trail)」と理解されているとわかった。でも漢字圏の私が読んでも、中文って一体どこからどこまでが単語なのかわかり辛い。だから単語単位で区切られている英語圏の人には中文は相当な難易度なのかも知れない。

英語版は体験版遊んで色々アレ(私は全文読んでるので当然内容は知ってる)なので「これカットインとか色々削られてますが、大丈夫?」と聞いたら「全部正しい」との事なのでもう英語版の事は忘れた。

まっ、それはそれとして、クトゥルフ物に「クトゥルフらしさ」を求める人には向かないと思うが、一応クトゥルフ知識無しだとどうなのか分からないものの、私の無駄に長いADV歴の中ではTOP20に入る作品だ。少なくとも、ここ数年突然増え始めたクトゥルフ物(及び関連作)の中では一番面白いと思う。

私はラブクラフト以外のクトゥルフ物を読んだ事無いのだが、
クトゥルフ物全体の問題は昔から変わらないらしい
(注:赤枠は私が入れた部分)

因みに掲示板のネタは一部改変されているものの、ほとんどが実際の掲示板が元ネタらしい。中国市場はちょうど過渡期だったのか、玉石石石石石混交様々なゲームが増え始めた頃だったらしい。携帯でも膨大なゲームが出て(膨大なゲームが発売禁止になり)、PCでも海外市場にアピールする作品が出始めた。台湾のゲームは色々経験があったが、中国のゲームを最後まで遊んだのはこれが初めてだ。

中国では管理の為、ゲームもISBNコードが必要という政府が次の日になって「やっぱ禁止」って言ったらその日に消えるというディストピアなのだが、未来があると同時に未来が無い特殊な世界だ。このゲームはその中で相当攻めた内容だと思うが、明日になったら消えるのかも知れない。(まぁ別な理由でフルゲームは消えてしまってもう遊べない訳だが)

このゲームに限らず、Steamとかからは様々な理由で購入不可(以前に買っていれば遊べる)になる。楽曲だったり、会社が吹き飛んだり、様々な理由があるらしい。DiRT2は今でも売ってくれとか書き込みがあるが、楽曲が変わらない限り売り出されないだろうし、CodemastersはEAに買われたのでもうおしまいだ。Wishlistに載ってる作品もそのまま消えたり(…昔みたいに予約とって消えたりされてもSteamなら返金あるだろうから安心ではあるが)、GOGですら駄目な時があるので、楽になったとは言え、ゲームには遊び時がまだ存在している訳だ。だから興味があるときにはリミッターを切る必要は今後も続くのだろう。
(2021/2/23追記終わり)


 2020年末に英語版が出る予定。


中国のArrowiz社が手掛けたAdv作品。舞台は2017年の上海(作品では新都と表現されているが、調べながら読んでると上海だとわかる)の外灘から少し外れた所にある古書店「寄居隅Hermitageの店長が主人公で、様々な怪奇事件が持ち込まれ、エピソード形式で何話か続きエンディングとなる作品だ。因みに私は現在まだ第2章の終盤ぐらいまでしか遊んでいないので、以下の文章はクリア後の感想では無い。

様々なメディアで登場する、「意味ありげな言葉で助ける年長者」という様な登場人物がいるが、主人公はあの立場になる。因みに主人公は故あって、古書店(アパートはその2階にある)から離れられない。大量に消費する煙草とインスタントラーメンは通りの向いにある店から買っているのだろうか?当然、大丈夫そうな顔してても水面下ではエライ目に遭い続ける。多分メディアで出てくるそういう人達も似た様な事になっているのかも知れない。

クトゥルフ物でもあるが、良くある「クトゥルフ物をなぞった構成」にはなっていない。相手の正体の目処が立つ、という所には主眼が置かれてはいない。超常現象アリの簡単なミステリーみたいな感じだ。ゲームを進めて会話から得た手がかり、また、古書店に本を届けに来る「送書人」が届ける本から手がかりを得たり、更新しながら情報をあつめ、謎に対して3つ正しい組み合わせを選ぶ、というゲームプレイだ。
注:画像は私が個人的に遊ぶ為に作ってるMODで、本編は中文のみ。以下のスクリーンショットも同様。
上にある3つライトがあるが、3回失敗すると推理失敗になる。
章のエンディング分岐はおそらく全部正解と不正解アリに分かれる。バッドエンドはゲームオーバーだ(実績は開放される)。

このゲームは登場人物はある程度ステレオタイプ的な所があるにしても魅力的で、ストーリーも興味深いのに加え、中国が舞台になっていないと成り立たない話として成立している部分だ。
城中村(都市部が急速に拡大して、村が飲み込まれる現象。高層ビルが立ち並ぶ中に村落がある)、小区(ソビエトが発祥らしい。住宅地を塀で囲み地区化する。出入口を制限して保安しやすくする、というのが始まりだったらしい?中国での事情はリンク先に詳しい)、そして成分。日本語に直訳すると家族出身となるそうだが、正直それで理解できます?私は無理だった。

ちなみに、本文ではこんなセリフだった「彼女の旦那は成分が悪い。海外帰りさ」。
分解していくとこんな意味になる。

革命前の彼の主人は海外帰り、つまり多分、裕福な家の出身で、資本家が敵である革命分子にとって迫害すべき対象だった。

Advとかで用語のTipsとかの機能があるが、本当にこのゲームではそれが必要なのでは無いだろうか。

彼がゲームのメイン主人公「店長」
店長は訳あって本名は明かされないので、ずっと店長、店主、師匠、教授みたいな感じで呼ばれる。彼は民俗学もやっていた元教授(?)で、やたら格言、諺を連発するので尚更理解しづらい。
ヘビースモーカーでゲーム中の煙草の本数なら神宮寺を越える勢いだ。時代が変わり咥えタバコの登場人物はレアだとは言える。

ゲームは様々なゲームの影響、逆転裁判、神宮寺シリーズ、シュタインズゲート、真・流行り神からインスピレーションを受けたという。
開発会社によるメイキング説明。

当初、ゲームにはフルモードとクラシックモードという2種類のゲームモードがあった。

クラシックモード

いわゆるヴィジュアルノベル形式で進む。手がかりを集め、推理を完成させゲームを進めるモード。一部判定があるが、メッセージがわずかに変化するだけでゲームには影響を与えない。

フルモード

TRPGのリプレイとしてゲームが進む。(この辺特に確認していないのではっきりしていないが、元々リプレイがあり、それをヴィジュアルノベル化した?)
ゲーム中に判定が表示されるが、実際にはリプレイなので判定はゲームに影響しない(つまりダイス目もリプレイされるから変わらない)、一部判定があるがそこはクラシックモードと一緒でゲームには影響を与えない。

現在発売中のオリジナル版はクラシックモードしか遊べない。これはケイオシアム社のライセンスによるもので、商業作品にはリプレイを載せられない(=違反になる)という事で削られたのだそうだ。YouTubeとかで探せば、フルモード版の映像は見られると思う。
英語版のトレイラーで判定が写ったり(というか元々の予告映像に英語載せだだけなので)してるが、英語版でフルモードはどうなるのか不明。多分駄目な気がするが。

実際どんな雰囲気で進むのか紹介するため、MODを作って動画をこさえてみた。
英語版の発売が楽しみだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿