2018年12月1日土曜日

Red Dead Redemption II 1ジャンルとしてのオープンワールドへ


Red Dead Redemption 2 Angry Review

「新しいゲームプレイが無い」というのが結構大きく扱われているようだが、このゲームはそもそもそれを目指していないというのは先に書いた。 

じゃあ何を目指したのだろうか? 

話を進める前に、時計の針を2004年まで戻そう。2004年に何があったのか?2004年はWorld of Warcraftが発売された年だ。それが何か?と思われるかも知れないが、この年にMMORPGは幼年期を終えて、初めてありもしない未来の約束では無く、実際のゲームプレイとしてゲームを提供した。つまり、初めて完成されたMMORPGが登場したのだ。完成の結果としてライバルはみな蹴散らされ、Blizzard自身も途中から舵取りに失敗したぐらいのとんでもない完成度だった。最盛期は1,000万以上のプレイヤーが居た。現在でも数百万人のプレイヤーがいる。 

オープンワールドのゲームはどこから始まったのか、というのは諸説あると思うが、私はUltimaから始まったと思う。特に4~6で大きく進化した。RDR2はUltima VIに大変よく似た作りになっている。メインとなるストーリーテリングの流れ、大量に散りばめられた情報、七面倒な操作。Ultimaはキーボードのキーを大量に使うゲームだった。7からマウスオペレーション中心のゲームデザインとなり、且つシナリオは豪快に崩壊し、8でアクションゲームにするという迷走を始め、9で未完成品を売るという今では恒例のパターンで会社はEAに買収された(≒抹消された)今では社名がOriginという侘しいクライアントに残るのみとなった。脱線した。話を戻そう。 

RDR2は初めて完成したオープンワールドのゲームなのだ。今までの「こんな事が出来ます、あんな事も出来ます」という宣伝文句から実際箱を開けたら似たようなパターンのミッションの繰り返しだったり、ただのミニゲーム集に過ぎなかったり、誰かを騙すためのバズワードでしか無かった「オープンワールド」がRDR2以降はバズワードにはならなくなるという事だ。昔は「MMORPG」です。というのが売りになったが、World of Warcraft以降未来のあるジャンルだったMMORPGが単なる1ジャンルになったのと同様に、オープンワールドもただの1ジャンルになってしまう訳だ。AAAを開発する大手にとっては大ダメージだろう。既にAAAの開発会社全員がBiowareの二の舞になる恐怖に怯えなくてはならなくなったにも関わらず、この作品と比較される羽目になる。Rockstarについても同じ事が起こる。GTAVIか、はたまた新しいIPかはわからないが、「RDR2に比べ」という物差しが使われる事になるだろう。地獄絵図ですな。

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