2013年3月13日水曜日

Blade of Darkness

黒の剣では無く(あちらも私は相当好きですが)スペインで作られたアクションRPGがBlade of Darknessだ。北米ではSeverance: Blade Of Darknessというタイトルで発売された。つい最近、GOGで販売が開始された。マルチランゲージ版なので、こちらはヨーロッパ版になるのだと思う。

Blade The edge of darkness Juego Español Trailer

北米版でもヨーロッパ版でもタイトル以外に内容は変わらない。特筆すべきは卓越した残虐表現と当時としては非常に豊かなライティング表現、そして男性コーラスを使用した楽曲の迫力だ。女性コーラスを使用したゲーム音楽は多いが、ほぼ男性コーラスのみという作品は珍しいと思う。

Rebel Act Studiosは元々ゲーム会社では無かったらしく、CADとかを扱っていた会社らしい。(当時のフォーラムにはスタッフによるそういう書き込みがされていた)で、初めて製作されたゲームがBlade(開発時タイトル)というタイトルで初めてのゲームという事もあって開発は相当難航したらしく、2000年の発売予定だったが実際に発売されたのは2001年だった。契約の関係からか、開発が完成する前に販売されてしまったせいで初期のバージョンは品質が非常に低かった。最終的にはパッチで安定したゲームにはなったものの、序盤を除けばゲームとしてバランスは常に崩壊している状態で、悪いことに終盤に行くに従って更に悪化してゆく。

デザインはナムコのソウルエッジに影響を受け、通常のスイング振り分けの他にコマンド入力による必殺技があるのだが、必殺技のダメージが敵の強さに合わせてどんどんインフレしてゆくのに比べ、通常の攻撃がほとんど追いつかない。必殺技は装備している武器に固有の物で、アンロックはレベルアップにより行われる。つまりレベルアップがおいついていないと大して効果の無い攻撃を延々行なって倒す事となり、必殺技を使えば一、二発でケリがつくというレベルデザインとなっていた(調整する時間が無かったという事らしい)。結局これは修正されなかった。また、防御した際に盾等にダメージを受ける(鎧はダメージを受けても壊れる事は無い)ので、結構簡単に矢や敵の攻撃で壊れてしまう。まぁそれはそれほどの問題では無いのかも知れないが両手用の武器を持っている際、武器がダメージを受ける。実際、ゴーレムのパンチを長剣でガードした際に一撃で剣は真っ二つになって折れて、思わず「うおぉ!」と声が出るぐらい驚いた。予備の剣に切り替えて苦労してなんとかゴーレムは倒したものの、武具の耐久力は10倍ぐらいあっても良かったのでは無いかと思う。

発売後は良くある流れで開発陣と経営陣と意見がぶつかり、最終的にはRebel Act Studiosは解散してしまう。そのゴタゴタの最中にもXbox版の発売が予告され、イマジニアにも日本語PC版の発売が告知された。もちろん両方ともいつの間にか消え去ってしまった。その後、Mercury Steam Entertainment S.L.という会社が作られ、Clive Barker's Jericho、Castlevania: Lords of Shadow等を作ったそうだ。

と、まぁ問題の満載されたゲームな訳だが、松明が作り出すコントラストの強い陰影!コントになっていない残虐表現!力強い男性コーラスの生み出す楽曲の迫力!独創的なモンスターのデザイン!(特にバンパイアとキメラ)と何度もエクスクラメーションマークを付けたくなるぐらいインパクトの強い作品だった。
Severance: Blade of Darkness Main Theme ( full)

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